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2006年10月 ?????

2006年10月15日

 2006年10月2

 2006年10月2日に土星のすぐ近くで発見されたが、このときすでに10.5等と明るくなっていた。10月4日04時01分、この発見を知らなかった村上茂樹氏(スナイダー・村上彗星=C/2002 E2 (Snyder-Murakami)の発見者)は彗星捜索中に独立してこれを発見し、国立天文台や関連機関に位置と光度を報告した。あと1日早かったら発見者として彗星に名前が付けられただろう。しかし、独立発見には間違いないので、眼視による捜索がまだまだ有効であることを証明したことになる。

 10月15日は透明度が悪い夜で、しかも霧のような薄い雲が全面に現れたり、すーっと消えていく中、望遠鏡を組み立てようか、あきらめて帰ってしまおうかと2時間ほど空を見上げて悩んでいたが、3時30分ころになってようやく雲がなくなってきた。大急ぎで望遠鏡を組み立てて調整を完了すると4時。ちょうど良い具合にLevy彗星が東の低空に現れていた。
 透明度が悪いうえにすぐ近くに明るい月があったので画面が白っぽい。全光度は11.9等と測定したが、眼視観測者によるともっと明るいので広い範囲にコマが広がっているのだろう。
    PK06T010  C2006 10 14.80439 10 23 52.45 +07 49 51.3                      D70
    PK06T010  C2006 10 14.81326 10 23 54.38 +07 49 31.4                      D70
    PK06T010  C2006 10 14.82046 10 23 55.90 +07 49 14.9          11.9 T      D70

 平塚市の杉山行浩氏

 平塚市の杉山行浩氏からC/2006 L1 (Garradd) が増光しているというメッセージとともに10月8日(UT)に撮影した精密測定データが送られてきた。全光度が12.9等とのこと。
 私は観測対象にしていなかったのであわてて調べてみた。6月28日にSiding Spring Surveyが17.2等前後で観測したまま誰も観測していなかった。私の機材では17等級は空が綺麗でないと写らないので観測対象からはずしていたのだ。しまったな~~。
 確認のために10月15日の明け方に写してみた。全光度が13.9等と暗めに測定したが、いつも1等程度暗めになるので増光していることは間違いない。今後の光度変化に注目したい。
    CK06L010  C2006 10 14.83036 10 04 32.90 +00 17 16.8                      D70
    CK06L010  C2006 10 14.83343 10 04 32.84 +00 17 19.7                      D70
    CK06L010  C2006 10 14.83499 10 04 32.78 +00 17 20.7          14.0 T      D70

2006年10月21日

 塩塚高原展望台で観

 塩塚高原展望台で観測を行った。
 7月23日には立派な尾があったが、現在は16.2等(核光度)とかなり暗くなってしまった。北に向かって小さな尾があるようにも見える。写らなくなるまで継続観測したい。
 今回は移動観測フォーマットで小惑星センターに報告した。
0073P      c  V2006 10 21.55111 00 41 18.26 -14 49 59.5          16.2 N      247
0073P      c  v2006 10 21.55111 1 133.6877   +33.9230     970                247

 塩塚高原展望台での

 塩塚高原展望台での観測。ところどころ霧のようなうす雲があり少し空が明るい。
 4P/Fayeが高く昇ってきたところで他の観測者の28cm(36cmだったか?)シュミットカセグレンを向けてみた。うす雲の影響で白っぽい空に淡く小さな彗星像が確認できた。淡いが集光しているので容易に認識できる。ただし、尾は確認できなかった。
 眼視で確認できるほど明るいので尾が写るかもしれないと思い撮像したのが下の画像だ。西の方向に長い尾が伸びている。今回は3枚の画像をコンポジットして全光度を測定したところ10.1等となり、眼視観測者の報告した光度に近い数値となった。11月上旬に最大光度となる。
 摂動計算だけでは軌道が少しずれてきているとのこと。内部の物質の放出が活発になり非重力効果(ジェット噴射による加速度)が現れているのかもしれない。今回は移動観測フォーマットで小惑星センターに報告した。
 次回はカラーで撮像してみたい。
0004P         V2006 10 21.57447 02 09 10.72 +08 39 22.9          10.1 T      247
0004P         v2006 10 21.57447 1 133.6877   +33.9230     970                247
0004P         V2006 10 21.60234 02 09 10.63 +08 38 59.8          10.1 T      247
0004P         v2006 10 21.60234 1 133.6877   +33.9230     970                247
0004P         V2006 10 21.60863 02 09 10.62 +08 38 54.6          10.1 T      247
0004P         v2006 10 21.60863 1 133.6877   +33.9230     970                247

2006年10月25日

 10月25日の朝、

 10月25日の朝、佐藤裕久氏からSWAN彗星がアウトバーストしているというタイトルと、海外での観測データが送られてきた。アウトバーストしたのは24日から25日(日本時間)にかけてのようだ。
 太陽を横切って西の空で観測できるようになってから初めての撮像である。
 透明度が悪い上に土佐市の街明かりが強いので肉眼では見られなかったが、4cmくらいの小さなファインダーで確認できた。双眼鏡だったら楽に見られるだろう。
 眼視観測者たちは4等級と報告しているが、私の撮像ではいつものように1等ほど暗い5.6等(全光度)と測定した。北東(左上)に向けて何本もの放射状の尾が写っている。
 核周辺に何か変化が見られないかと8倍まで拡大してみたが、何も異常は見られなかった(画像2)。

(画像1)


(画像2)
    CK06M040  C2006 10 25.46461 16 01 21.67 +35 48 59.4                      D70
    CK06M040  C2006 10 25.46559 16 01 22.27 +35 48 56.4                      D70
    CK06M040  C2006 10 25.46613 16 01 22.72 +35 48 55.5           5.6 T      D70

 機材の調子が悪く小

 機材の調子が悪く小刻みに東西に流れる中、1時間かけてやっと3枚の画像を撮像した。集光が非常に強く小惑星のようであるが、北東(左上)に向けて小さくて短い尾が伸びている。
    PK06H30R  C2006 10 25.49039 20 39 07.89 +31 02 38.4                      D70
    PK06H30R  C2006 10 25.52573 20 39 07.05 +31 02 46.8                      D70
    PK06H30R  C2006 10 25.52865 20 39 06.98 +31 02 47.3          15.0 N      D70

2006年10月26日

 小さいがぼやけてい

 小さいがぼやけていて彗星像である。全光度で16.3等であった。

    CK05B010  C2006 10 25.54786 23 40 54.76 +34 18 44.7                      D70
    CK05B010  C2006 10 25.64157 23 40 51.36 +34 16 36.0                      D70
    CK05B010  C2006 10 25.65571 23 40 50.89 +34 16 16.9          16.3 N      D70

全光度は9.9等と少

全光度は9.9等と少し明るくなった。画像は10月21日のものとほぼ同じ。
0004P         C2006 10 25.69608 02 09 11.09 +07 42 35.5                      D70
0004P         C2006 10 25.71003 02 09 11.01 +07 42 23.9                      D70
0004P         C2006 10 25.73248 02 09 10.94 +07 42 05.5           9.9 T      D70

 ちょうど1年ぶりの

 ちょうど1年ぶりの観測となった。現在おうし座、ぎょしゃ座、ペルセウス座の境界付近をゆっくり移動している。
 いつも微妙に明るさが変化したり、突然明るくなったりする彗星なので、バーストしてないかちょっと期待したが、核光度では15等台で、これまでの他の観測者の延長線上である。全光度は13.0等と測定した。計算上は11月に向けて明るくなるはずなので、順調に明るくなっているというところか。

0029P         C2006 10 25.75997 04 18 53.24 +31 51 28.1                      D70
0029P         C2006 10 25.76112 04 18 53.17 +31 51 28.3                      D70
0029P         C2006 10 25.76784 04 18 53.05 +31 51 27.3          13.0 T      D70

 2005年3月に発

 2005年3月に発見されたにもかかわらず2006年5月までに150観測しかされていない彗星を観測した。もともと20等前後で小惑星として発見された彗星なので暗くて多くのアマチュアは観測できなかったのだろう。ただ5月8日に17等級で観測された後、5ヶ月間だれも観測していないので消滅してしまったものと思っていたが、下の画像のようにしっかり16.5等で写ってしまった。
 12月中旬から1月中旬にかけて最大光度になる計算であるが、せいぜいあと1等ほど明るくなる程度だろうか。
 この観測を小惑星センターに報告したところ、私の観測データとともに門田健一氏も同じ時刻に観測していたことと、これらの観測が5月以来のものであることが小惑星センターの担当者からメールで配信された。門田氏の観測では全光度で15.9等であった。
    CK05EH3L  C2006 10 25.79265 08 28 17.67 -21 41 44.1                      D70
    CK05EH3L  C2006 10 25.81454 08 28 17.12 -21 42 02.1                      D70
    CK05EH3L  C2006 10 25.82389 08 28 16.67 -21 42 12.0          16.5 N      D70

2006年10月29日

 日曜日がタイミング

 日曜日がタイミングよく晴れてくれたので、十分な時間を取ってカラー画像を得ることができた。現在使っているCCDは青色に対する感度が非常に低いので青白くは写らないだろうと思っていたが、意外に美しい色が出た。
 画像1はLRGBカラー合成の画像である。北(上)方向にダストの尾が広がっていて、北北東(左上)に向かってイオンの尾が勢い良く伸びている。

(画像1)

 急激に明るくなっているので彗星核の周辺になにか変化は見られないかと、いつもより4倍ほど高解像で撮像して、さらに見やすくするために8倍に拡大したものが画像2である。1ピクセルは1.36"であり、詳細は見えないが、核または非常に明るい部分がイオンの尾の方向に向けて楕円形に延びていることがわかる。多くの場合は核周辺の明るい部分は丸くなっているのだが、こういう風に長く伸びることもよくあるのだろうか?5等級まで明るくなる彗星は少ないので、珍しい現象なのかよくあることなのか経験不足でよくわからない。

(画像2)



1分露出を4枚合成して尾の様子を見たもの

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