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2007年10月 ?????

2007年10月21日

 月齢10の明るい月

 月齢10の明るい月が沈むのを待って観測を行った。なんと、5月8日以来の観測である(何度か観測地には来たが、雲が多くて観測できなかった)。そのためバッテリーが放電していて、望遠鏡の組み立てとアラインメントが完了して、天体に向けてピントを調整し、さあ撮像開始と思ったら、バッテリー低下の警告音が鳴り響いてしまった。そこで、もう1個のバッテリーにつなぎ替えて再度導入し、さあこれから撮像という時に2つ目のバッテリーも電圧低下の警告音が鳴ってしまった。半年振りの快晴の夜である。1枚も撮像できないまま帰るわけには行かないので、警告音を無視して、パソコンが停止するまで撮像を続けた。したがって、この夜の撮像は93P/Lovasのみであった。
 アンドロメダ座とペガスス座の境界付近にあり、光度は14.2等(全光度)で、尾はわずかに北東(左上)にごく短いながら写っているような気がする。

0093P         C2007 10 20.74624 00 34 54.38 +23 43 55.9                      D70
0093P         C2007 10 20.74711 00 34 54.35 +23 43 56.3                      D70
0093P         C2007 10 20.74987 00 34 54.19 +23 43 57.1          14.2 T      D70

 2007年10月9

 2007年10月9日(UT)に発見されて、まだいろいろな軌道が考えられるマックノート彗星を観測した。
 現在、へびつかい座にあり、日没後の西の空低空に位置する。
 12等級で報告されていたのでもっと明るい姿をイメージしていたが、低空であったためか思ったより貧弱なイメージでしか写らなかった。光度は画質が悪いこともあって多くの観測者より暗い14.1等(全光度)と測定した。東に向かってわずかに尾が確認できる。
 今後南下しながら太陽の方向に移動していくので観測しづらくなる。

わずかに東(左)に尾が伸びているのがわかる


中央を北(上)から南(下)に移動しているものが彗星である
    CK07T010  C2007 10 21.42181 17 12 09.96 -17 37 19.5                      D70
    CK07T010  C2007 10 21.42924 17 12 09.75 -17 37 36.3                      D70
    CK07T010  C2007 10 21.43664 17 12 09.56 -17 37 52.6          14.1 T      D70

 2006年9月に1

 2006年9月に18等級で発見された彗星がゆっくり近づいてきて、現在15.1等(核光度)まで明るくなった。この彗星が最も明るくなるのは2008年10月から11月で、あと4等ほど明るくなる可能性がある。
 下の画像の三角矢印の先の少しぼ~っとした像が彗星である。当日は透明度が悪かったことと、明るい月のそばにあったので画質が非常に悪い。


    CK06O02F  C2007 10 21.48086 21 13 03.88 -07 29 09.7                      D70
    CK06O02F  C2007 10 21.48763 21 13 03.84 -07 29 09.6                      D70
    CK06O02F  C2007 10 21.48861 21 13 03.80 -07 29 09.0          15.1 N      D70

2007年10月27日

 約7年で太陽を一周

 約7年で太陽を一周する彗星がアウトバースト(爆発現象)を起こした。この彗星は2007年5月に太陽に接近した後遠ざかりつつあり、最近では17等級(60cm反射望遠鏡でも見えないほど暗い)というかなりの暗さで観測されていた。
 アウトバーストの情報が飛び込んできたのは10月24日21時ころだった。海外での7等級に増光という情報が最初で、その後時間が経過するたびに国内の観測者から少しずつ明るい報告が入りだし、深夜には4等級まで増光しているという情報が入った。翌明け方には2等級に増光して、ここで増光は止まっているようだとの情報が入ってきた。
 翌日観測したくても天気が悪く、27日になってやっと観測できた。
 彗星の方向に満月が輝いていて透明度は良好なものの明るい恒星しか見えない。情報では肉眼で見えているという。望遠鏡を組み立てる前に小さな双眼鏡で周辺を探してみると....。あった。周辺がぼ~~っとした明るい天体が。こりゃ大変だ、雲が出る前に早く撮らなければと大急ぎで望遠鏡を組み立てた。いつもは正確に導入したり追尾するために3点アラインメントして微調整するのであるが、そんな時間のかかることはやってられない。クランプをゆるめて手動でいきなり導入した。小さなファインダーでもぼ~~っとしていることがわかるほどだ。CCDのピントモードで連続撮像しながらパソコンの画面を眺めると、画面の中心部に真っ白く真ん丸い巨大なものが写っていた。シャッター速度を5秒にしても明るすぎて飽和してしまう。結局3秒で飽和せずに写すことができた。観賞用としては多少飽和しても大丈夫であるが、位置を精密に測定しようとすると重心が計算できないので具合が悪いのである。いつものように位置測定用に2x2ビニングで10枚撮像した。これさえ撮っておけばもう思い残すことはない。
 彗星の色にも興味があるところだ。多くの彗星は青白いのだが、この彗星は黄色いという情報であった。そこでめったにやらないRGBカラー分解撮像をやってみた。対象が非常に明るいので、青感度の低い私のCCDでも十分な露出時間をとることができて良好なカラーバランスに仕上がった。下の画像がそれである。一見白黒画像に見えるが、カラー画像である。けっして青白くは見えない。ほぼ白で、中心部が少し黄色っぽく見える。



 彗星核にも興味があったのでこんどはビニングを行わずに高解像度で5枚撮像した。撮像しながら簡単に画像調整して確認してみるとコマの中央部分に恒星が入っていて見栄えが悪い。恒星がコマの中に入ると全光度を測定するのにも面倒なのである。双眼鏡で眺めたり運動したりしながら時間が経過するのを待って再度撮像....。まだ恒星がある。なかなか出て行ってくれないので、この彗星は移動がものすごく遅いなあと思いながら撮像を続けた。


 帰宅してアニメーション処理してみて驚いた。彗星のコマに寄り添うように恒星もいっしょに移動していたのである。そりゃ、いつまで待っても離れてくれないわけだ。
 上の画像は高解像で撮像したものを核周辺がわかりやすいように画像処理したものである。
 この恒星に見える部分が彗星核なのだろうか。しかしコマの部分にも少し離れたところにきれいに集光している部分がある。普通はこのぶぶんに核があるのだが。しかし、恒星に見える部分から南西方向にガスが噴出してそれが丸くなっているようにも見える。
 もしかして、核が2つに分裂してしまったのだろうか。
 コマの中心部分を測定したのが下の画像である(南北(上下)が逆になっている)。


 中央に集光しているもののかなりなだらかで、この中に核があるような感じではない。とすると、やはり核が分裂しているのではなく、なんらかの作用が働いて噴出したガスが丸くなっているのだろうか。
 全光度は2.5等と測定した。ほとんどの場合ここまで明るくなるときは太陽にも近づいているので長い尾があるのだが、この彗星は現在太陽から約2.5AUも離れているので尾が見えず、丸い拡散状で非常に不気味な感じがする。彗星というよりも巨大な惑星状星雲といった感じだ。
 彗星はペルセウス座にあり、ほぼ一晩中観測できるので、後日再度観測してみたい。

0017P         C2007 10 27.47465 03 50 43.75 +50 18 26.3                      D70
0017P         C2007 10 27.47769 03 50 43.59 +50 18 26.7                      D70
0017P         C2007 10 27.51218 03 50 41.53 +50 18 35.2          2.5  T      D70

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