No.060 <氷ノ山>関但ミーティング
1994.06.11.Sat.曇りのち晴れ
メンバー:FYAMAメンバー多数
6 時起床。握り飯 6 つと水をザックに詰めてパッキング完了。20Kg。星見係りを買って出たため、中型双眼鏡と三脚の分だけ重い。
0650 出発 阪急門戸厄神駅まで歩く。足はキャラバンの運動靴。
0805 大阪駅発 特急北近畿 1 号。三田から但馬方面は栗の樹が多く、どれも花が満開である。田圃ではお百姓が肥料だか農薬だかを撒いている。別の田圃では草を抜いている。100 メートル四方もの田圃に一人となると一日仕事だろう。畑ではじゃがいもが薄紫の花を咲かせている。そろそろ新ジャガかな。おっ、トウモロコシが早くも花をつけている。篠山付近では三尾山を探すがわからなかった。
1013 八鹿駅着 駅前は閑散としている。早くも空腹を覚えたので近所の土産物屋でパンと缶コーヒー、カニ入りちくわ一本を購入し、全但バス鉢伏行きに乗り込む。
1030 八鹿駅発 乗客は私を含めて 9 人。お年寄りが多い。バス停では乗降客がいなくてもクラクションをちょっとだけ鳴らす。バスが来たよ、ということなのだろう。車窓から八木川を眺めつつ昼食を済ませる。
1123 終点、鉢伏着
1130 エアリアマップの裏面で現在地を確認し、キャンプ場へ向かって出発。林道から左折すべき目印となる宿が見つからず、分岐を見逃してしまって迷いながら結局林道を歩くことになってしまった。まずは一汗。
1215 鉢伏高原駐車場着 集合時刻は 1330である。残念ながら鉢伏山を稼ぐヒマはなさそう。
パーキングから少し上がった草原に寝っころがる。薄日が射しているが太陽に暈をがかかっている。明日は雨か。ヒマなので 14 倍 70 ミリ双眼鏡を取り出し、三脚をセットしてぶんまわしの大パノラマを楽しむ。氷ノ山頂上小屋に数名、鉢伏山の頂上にも数名。これから登る小代越から大平頭方面を確認。このあたりは火山なのだろう、とても細かい土粒と阿蘇・久重高原にも似た草千里の風景はすばらしい。昨秋沈殿した奈良尾のキャンプ場は見えず。
集合時刻を過ぎて ("`o'メ) 今回の幹事である Cathy さん(註:男である)たちが到着。おっ、隣の女性が噂の美人 MIDORIN - P さんか!Cathy さんと挨拶しつつも視線は....(^^;) Cathyさんの部下という S - Gear さん、ヘンな外人 JR 氏とも挨拶している間に Crazy Moon さんが登場。早く着いて車の中で寝ていたらしい。おおかたが集まったのでまだ到着しない京都のワッショレ隊を残して出発することになった。
1433 パーキング発 小代越へは砂利を敷き詰めた階段の登りである。歩幅が合うので助かる。歩き出して間もなくぶなばさんと山くんさんが行方不明であることに気づくが誰も心配しない。
1455 小代越 草原の尾根に出た。西側の展望がひらける。涼風が心地よい。
1500 発 緩い登りに続く平坦な草原。アザミとキツネヤナギという綿をかぶったような植物が目立つ。やがて少し下ると 1019 メートル鞍部。エアリアマップには大久保へ下る道、ホードー杉へ向かう分岐がここに記されている。それらしい道は下方に見えるもののはっきりした分岐点が見あたらない。
ここから大平頭まで急登となり大汗をかく。火山灰土が粘土のように固められ、登山者の踏み跡が階段を作っている。急傾斜に何度か立ち止まる。間もなく樹林帯に入り、そろそろかと思うがそうは問屋が卸さず、かなりのアルバイトを強いられた末ようやく平坦地へ出た。左手が Cathy の森である。関但オフの旗を目印代わりに枝にくくりつける。
1525 Cathy の森分岐 荷物を置いて避難小屋まで偵察に行く。中までは入らず、引き返す。分岐点からブナの森に入る。全員で協議した結果、水場の近いこの森の中をキャンプサイトに、さらには焚き火宴会もここでやろうということになった。荷物をデポし、主目的の一つであるホードー杉見物に出かける。標高差 50 メートル程を沢沿いに急降下し、水場を通過してしばらく行くとなるほど大きな杉が立っている。根本は裂けたようになっていて中に焦げた跡がある。誰かが中で焚き火をやったのか、あるいは落雷の跡かとしばらく議論が続く。
キャンプサイトに戻り、今度は縦走路を避難小屋へ向けてすずのこ採りに出かける。太くて短いのがいいそうである。薮に突入し、数本まとめて生えているすずのこをどんどん採取する。
避難小屋の周辺は平坦な地面がなく、テントを張るスペースはほとんどない。中で眠れる人数もせいぜい 6 人くらいか。夕日に映える氷ノ山頂上が見える。明日はあそこへ!小屋の利用記録ノートに数日後ここを訪れるはずの「オキャーマのへーとこさん」宛メッセージを書く。
キャンプサイトへ戻るとワッショレ隊が到着していた。
さて、いよいよ宴会の始まりである。と、その前に(酔っ払う前に)各自テントを張る。ブナの葉っぱでフカフカの腐葉土状地面にはペグが素手で容易に突き刺さる。
ワッショレ隊長が 200cc 牛乳パックのような容器に入った豆腐をパックごと切り、冷奴を作っている。山の中で食べる冷奴の旨いこと!また、隊長はミズという葉っぱを採取してきてお浸しを作り、ワッショレ・殿は肉を焼く。幹事の用意された日本海の幸、カレイ、キス、イカ、アジ、ハタハタなどが焼き上がるのを待ちかまえるように皆の目が注がれる。Cathy さんはすずのこ入り山菜五目飯を炊いている。ぶんさんもコメを持ってきている。私はおにぎり二つを崩して雑炊に(^^;)。自己紹介などしつつ自然に浸る喜びをかみしめる。
西空の開けた場所がなく当初の予定であった水星・金星と月は諦めたが、知らぬうちに天候が良くなっていてブナの葉陰から木星が見える。それならばと口径 70mm 倍率 14倍(2 Kg)の双眼鏡を 3 Kg の三脚にセットし木星を見る。ガリレオ衛星が 3 つ見えている。
焚き火とかランタンの明りのそばでは暗い星は見えないので、しばらくしてから空が比較的開けている縦走路まで移動して寝っころがりつつゆっくり星空に浸る。北斗七星は既に天頂を通過して下を向いている。あっ、流れ星が。明るい人工衛星が 2つ北斗七星のそばですれ違う光景も見られた。最近超新星が出た M 51 もはっきり見える。白鳥座の嘴にあたり、オレンジとブルーの対比が美しい二重星アルビレオには今少しの高倍率が欲しい。季節柄水蒸気が多く、薄雲も多少あって最微光星は 5 等級程度だろうか、透明度の良い秋~冬にもう一度来たいものである。
気温は結構高かったようで、寒さはあまり感じない。時計は既に 23 時を回りつつあったのでテントに入り込む。宴会はいつまで続くのだろうかと案じつつ眠りに落ちる。
1994.06.12.Sun.曇りのち雨
0600 起床。驚いたことにフライシートが全く濡れていない。これも森のおかげだろうか。
またまた握り飯二つを崩して雑炊。ワッショレ・殿のメニューはなんと塩胡椒ステーキ。再びお裾分けにあずかる。ぶんさんは飯ごうをガスバーナーにかけてご飯を炊いている。
【Cathyの森より出発前。ブナをバックに各自手に持っているのがすずのこ】
copyright たじまもり ( Cathy )
0805 出発 全員テントなどたたみ、荷物を大平頭避難小屋にデポする。サブザックに必要最小限の荷(3 Kg くらい)を詰めて歩く。六甲日帰りでもいつも 15 キロくらい担いでいるので(トレーニングも兼ねてテントとかマットとかを詰めている)この荷の軽さは驚きであった。
天気は曇り。氷ノ山頂上はガスに隠れている。
大平頭避難小屋の手前で小屋の中からトントンと釘でも打つような音が聞こえてくる。不思議に思って階段に踏み込んだ途端開けっ放しの扉からカラスが飛び出してきた。中へ入ると記録ノートの表紙に穴が空いていた。カラスは紙を食うのか?つい先ほどすれ違ったパーティーが記録を残していた。鳥大ワンゲル部であった。避難小屋の扉、窓はちゃんと締めておくこと!
0830 大平頭避難小屋発 背丈より高いチシマザサに囲まれた縦走路を黙々と歩く。足元にサクラみたいな可愛い花や頭上に紫陽花に似た植物がちらほらと。気にしつつも独り歩き続ける。
0858 氷ノ山越 避難小屋があるがとても中には入る気にはなれない汚れた小屋である。ここからまた急登になる。ロープなど張ってあるが使うまでもない。エアリアマップには鎖場となっているが、張られているのは鎖ではなくトラロープであった。またブナの林の中を通過する。気持ちがよい。そろそろガスの中に突入。
0925 コシキ岩 縦走路は北側麓を巻くようになっているがせっかくなので上まで登ってみた。
0935 氷ノ山頂上。風が強く霧雨が体に冷たい。頂上小屋は立派なもので 20 人くらいは泊まれそうである。簡単なスナックを摂る。展望は全くなかったが小屋の雰囲気を充分楽しんでから下山にかかる。二階には畳や毛布などが完備されていた。
1035 発 一時間も休むと体が冷え切ってしまって寒いこと。しかし歩き始めるとすぐに暖かくなる。自然観察でゆっくりペースのぶなばやしさんと山くんさんは私らが出発する頃小屋に到着した。
1107 氷ノ山越 ガスは消え、急に暑くなった。
1112 発 往路で気になっていた植物をゆっくり観察しようと「犬の散歩モード」に入る。隊長と二人でこれはなんじゃかんじゃと言いつつゆっくり歩く。
1157 大平頭避難小屋着 最後の二つのおにぎりで昼食を済ませる。
1220 なかなか帰ってこないぶなばさん達を見捨てて再び Cathy の森へ。各自コンロなど取り出して昼食を始める。私はもう済ませてしまったので、残ったすずのこをむしってかじる。雨が本降りになり、カッパ上下着用。皆も昼食を済ませ次第カッパを着始めた。
1310 下山開始 縦走路の分岐でぶなばさん達とうまい具合に出会う。樹林帯の急降下で先頭の Cathy さんが滑り転けた。間もなく三番目を歩いていた私が滑り転け、3 メートルほど尻で滑り降りた。2 番目を歩いている隊長が「こっちへ流れて来るなよ」という表情をしている。樹林帯を抜けてからは雨の中ながら草原の尾根歩きが心地よい。
1357 鉢伏高原駐車場着 解散。私は Cathy さんの車で八鹿駅まで送って貰った。
福知山の駅売店で月見そばを買い求め車内で食べる。なぜか懐かしい気分。ここから電車は満員となる。
1759 宝塚駅着。阪急今津腺に乗り換え帰宅。
歩行時間 0327
休憩時間 0225
合計時間 0552
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