No.068 <大峰>弥山・八経ヶ岳・七面山


1994.09.13.Tue.曇り

仕事を終えた足で一路大峰へ。

1850 職場発 新御堂筋は梅新で渋滞。国道一号線は地面を掘り返して鉄道工事をやっているせいで中央線がコロコロ変わる。阪神高速道路南森町入り口までの間に大分時間を食われた。
1916 南森町入口( 6km)阪神高速・西名阪など渋滞無し。
1957 福住 I.C. (62km)
2107 和佐又口 (125km) 通過
2136 行者還トンネル西口パーキング(140km) 林道行者還線はところどころ舗装道路に穴が開いていて要注意。

22 時頃、普段着のまま助手席で寝るが寒くなってきたので軽シュラフに潜り込む。夜半過ぎに目覚め、寝ぼけ眼で空を見ればカシオペア座アンドロメダ座から冬の牡牛座までの銀河が見事に見えている。もちろんアンドロメダの大星雲・M 31 も肉眼で楽々見える。
1994.09.14.Wed.晴れ

0540 起床 稜線近くはガスが巻いているが、真上を見ると青空。天気予報では乾燥注意報が出ている由、雨は降るまい。
0635 出発 いつもの T シャツ姿では肌寒い。稜線への道は結構急だが、汗かきの私も汗をかかない程である。寒さと乾燥のせいだろう。今回は持参したストックが大いに役に立った。
0725 稜線 風が一段と増し寒さがつのる。弥山へは「胸突き八丁」と呼ばれる急登があるらしいので何も着込まずこのまま歩く。
0738 石休の宿
0815 聖宝宿 立派な青銅の行者像がある。

ここから弥山への急登が始まる。昔はそれこそ胸突き八丁だったそうだが、北側斜面にジグザグな道が着いて随分登りやすくなったようである。確かにさほどの急登とは思われない。ヘリの音が近くを何度も通る。やがて、ヘリの音が極めて近くに聴こえると思ったら頂上に着いた。登りの途中に所々展望の開ける場所がある。大普賢から小普賢、日本岳の岩峰が目を捕らえて離さない。

【大普賢岳】

0913 弥山(1895m) 山小屋が新築中のようで、3 階建てになるらしい。
0932 発 八経ケ岳へ向けて一旦鞍部へ下がる。エアリアマップによると、このあたりに水場のマークがあるが、最低鞍部まできても水の流れる音は聴こえない。涸れてしまったのか?
0955 八経ケ岳(1915m) 近畿最高峰である。一大パノラマが開け、霞みも少なく展望が良い、はるか南に釈迦ケ岳が聳える。目標の七面山も小さく見える。
1005 発 以後はさほどの急な登り下りはなく、オオヤマレンゲの木をくぐるようにして進む。西側眼下の七面谷など、すっかり涸れてしまっているように見える。
1020 明星ケ岳 通過 ピークは踏まない。このあたり、オオヤマレンゲが非常に多い。
1035 小休止(1765m 地点) おにぎりひとつ。太陽が昇るにつれて次第に暑くなってきた。T シャツ一枚でちょうどいい。
1055 発 このあたり、踏み跡がやや不明瞭である。なるべく稜線を外さないように歩く。

1157 舟ノタワ(1594m) 奥駈道の東隣に舟底のような形をした窪みがある。芝のような下草が密生していて寝っ転がるととても気持ちがいい。ザックを背もたれにして昼食大休止にはいる。おにぎり、ビタミンサラダ(ビスケットのようなもので、ややクスリ臭いがカロリーメートみたいに粉っぽくなく、ノドを通りやすい)、レギュラーコーヒーを湧かす。

さて、これから七面山へ向かう。ここにテントを張っておけば荷も軽くなるのだが、これから先は薮なのでどこで行き倒れてもいいように全装備を担ぐことにする。
1245 発 しばらく奥駈道を南下し「七面山遥拝碑」から西へそれる。下り気味のトラバースで次第に真西へ向かう。

【左の鋭いピークが七面山】

肝心の七面山が見えなくなったのでコンパスを頼りに進む。広い尾根が幾筋かあり、これらは 2.5 万図にも記載されていない。やがて地図とおり、尾根が細くなってきて七面山が姿を現した。あとはその方向へ進むだけである。頂上直下に東から突き上げる深く、細い谷の源頭があってここはすこし恐いが、ナイフリッジなどは無く問題ない。斜度はきつくなり、北西に延びる尾根から登頂する。

???? 七面山 (1624m)訪れる人も少ないだろう。樹林に囲まれ、展望無し。南壁は絶壁になっている。
1400 発 下るとなるとテープや踏み跡が結構見つかる。狭い尾根を越えて、広い薮を行くようになると往路と同じてどちらへ向かっていいかわからない。コンパスを頼りに真東へ、歩きやすい所を選んで歩く。このあたりの薮はさほど密生しておらず結構歩きよい。
パチンコ玉をふたつくっつけたくらいの大きさの糞が沢山落ちている。何か気配を感じて周囲を見回してみると馬のような動物が駆け去っていった。シカかな?
1500 薮に苦労しつつもひょっこり「七面山遥拝碑」に出た。随分疲れた。
1514 舟ノタワ ひと休みしてテントを張る。気温 20℃。時折雲がかかる程度で天気はよい。

【幕営】

ショウガ湯を飲んで元気をつけ「α山菜おこわ」を作る。
19 時頃、ウールのカッターを着てシュラフカバーに潜り込む。過労のせいかよく眠れない。夜中頃、絹を裂くような悲鳴が 4 回聞こえた。鹿の鳴き声らしい。
空を見るが、ガスがかかっていて星は見えない。

 歩行時間 0647
 休憩時間 0152
 合計時間 0839
1994.09.15.Thu.快晴

0355 起床 夜の間に少し飲んだため、残った水は 800cc ばかりしかない。心細い。
「α五目おこわ」を作る。水の残量が 500cc になってしまったのでコーヒーは諦める。
1 秒間に 3 - 4 回程度の「コッコッコッコ」という音が聞こえる。キツツキのようだ。

0600 舟ノタワ発 寝不足のせいか鍛錬不足か、歩き始めからバテ気味である。極めてゆっくりペースで弥山へ向けて歩き出す。
0749 明星ケ岳通過 休憩時間にはいれていないが立ち止まって息を整えることしばしばである。そのわりにはエアリアマップのコースタイムどおりに来ているのが不思議。
0815 八経ヶ岳 霞がかかり展望は昨日よりもよくない。弥山の工事の声がここまで聴こえてくる。
0830 発
0857 弥山 水が残り 100cc となったので分けて貰おうと管理棟へ出向くが誰も出てきてくれない。諦めて下ることにする。
0936 聖宝宿 ここでビタミンサラダとカロリーメートを流し込む。水はとうとう無くなった。
0950 発 起伏の少ない奥駈道を行く。
1026 トンネル西口への分岐 祝日のせいか登ってくる人が多い。この時刻、さすがに下る人は少ない。多くはトンネル西口から弥山・八経ケ岳ピストンなのだろう。やがて待望の流れの音が聴こえてきた。もうすぐである。
1104 パーキングに着く前に沢で頭から水をかぶり、既に雑巾と化したタオルを洗う。その前に水筒二つを満タンにしておみやげとする。

帰宅。体重は 63kg に減っていた。
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