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No.121 <阿蘇>高岳・中岳

1997.12.30.Tue.曇り・アラレ

8 時頃別府港でフェリーを降りる。別府の空は暗く、ラジオによると雨上がりらしい。鶴見岳も由布岳もガスのため見えない。

やまなみハイウェイに入って長者原から牧ノ戸峠、宮地に下る前の展望所まで無展望。久住の山も全然見えない。とにかく仙酔峡へ向かう。
仙酔峡、ロープウェイ駅(阿蘇東)パーキング着。

高岳はガスのためやはり見えず、あれは根子岳か東側に荒々しい岩峰がときおり顔を覗かせるのみ。しばらく迷っていたが、数台停まっている車からハイカーが動き出すのを見てよし、俺もと思う。

【駐車場より】

1000 阿蘇東発 取付きを間違え、ロープウェイ下の道に入り込んだ。仙酔尾根へは谷を渡らねばならないが渡れそうなところがなく、一旦パーキングまで引き返してから渡渉し、通称「馬鹿尾根」に取りつく。樹林など全然なく、ハンディナビは簡単に衛星を補足した。

高度 1200 メートルを越えるとガスに入ったようで視界は約 50 メートル。細かい霧がメガネについてより視界を妨げる。上も下も分からない。

稜線に近づいた頃 2 人組が降りてきて、稜線上は強風と雪で道が分からず引き返してきたとのこと。辺りには霧氷やツララが見られる。

1145 稜線に出る。なるほど風が強い。アラレが降りそそぎ、ズボンが随分濡れる。気温 3 ℃。

1150 視界がないのでナビとマップ、コンパスをフルに利用して高岳へ向かう。ここからは平坦な縦走路で問題なし。
1200 高岳(1592 m) 久住山と同じく太い四角柱に山名が刻まれている。もちろん展望はない。

マップによれば一旦南西に下り北西へ登り返すのだが、様子がおかしい。ナビで現在地を確認すると南に向きすぎたようで、少し北へ歩くと縦走路と月見小屋を結ぶ道に出、コンパスを数分おきに見ながら西へ歩くとほどなく中岳に着いた。北風が強く、阿蘇の噴煙はこちらへは来ないが南側は火口の絶壁らしく、体を右に傾けながら西へ向かう。最も緊張した箇所であった。

1225 中岳 とにかく視界がないのでマップとコンパスが頼り。ナビ寒冷によるバッテリー切れを起こしたため、電源を切ってズボンのポケットに入れる。暖まればまた動くだろう。

中岳から先の道がまた分からない。こんな状況で下手に進めばろくなことにならないのでマップをじっくり見て北西方向への尾根へ向かう。間もなくペンキマークが見え、ホッとする。

しばらく下ってまた登り返すと柵が見えた。ロープウェイで上がってきた観光客のための物だろう、火口東駅は近い。
ときおりネズミ色の土が出現し、これは泥々の粘土なので気をつけねば足をとられる。
柵の南側は確かに火口らしく、しばらく行くとこの先亜硫酸ガスのため進入禁止の札がある。普通ならこれを無視して進むところだがなにしろ視界がないので素直に舗装された右下への道を採る。コンクリートの火山弾避けを見ながら 進むと突然大きな建物が現れた。

1300 火口東駅 中は暗く、しんとしておりロープウェイが運休していることが分かるが、奥に人がいたので声をかけてみた。不愛想なロープウェイの係員 2 名であった。
待合室のベンチで携行食を摂る。身体中から蒸気が立ち上っている。体が冷えすぎないうちに出発する。

1320 発 空が明るくなり、天候は回復に向かっているらしい。あるいは高度が低いからか?ここからは緩やかに下るだけでゴツゴツしてはいるが石畳のように整備されている。間もなく駐車場が見えた。もうマップもコンパスも不要である。
遠方はまだ雲が垂れ込め、久住連山が見えない。

1350 あっけなく阿蘇東パーキングに到着した。のんびり後片付けをしていると私のように薄汚れた大きな犬が寄ってきた。ハイキングをしてきたらしい。

車に積んだままのカメラを取り出し、まだガスに隠れている山の写真を撮る。

 歩行時間 0320
 休憩時間 0030
 合計時間 0350

晴れていればどうということのないルートだろうが、強風、視界無しとなると様子が違う。随分緊張を強いられるハイキングだった。


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