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No. 122 <大峰>大普賢岳

1998.04.05.Sun.快晴のち曇り

0400 起床
0455(000km) 車にて自宅出発 近畿道、西名阪を快調に飛ばす。奥吉野の桜が美しい。
伯母峰トンネルの入口付近から一瞬大普賢岳頂上が見えるのだが、今日は白い物が全然見えない。

0700(142km) 和佐又ヒュッテ着 ヒュッテのおかみさんに山の様子を聞いてみると石の鼻から先にはまだ氷結部分があるとのこと。小屋の入り口に掛けてある寒暖計は昨年と同じ 6 ℃を指している。昨年、上では雪が舞っていた。

【左より小普賢岳、大普賢岳、日本岳、曽孫普賢岳】

0720 ヒュッテ発 今年初めての山行であり、随分体力が落ちているはず。通常よりスローペースで歩き始める。毎度のことながら、最初の 30 分が苦しい。和佐又山の鞍部を越え、道は次第に傾斜を増す。お、キツツキがいる。残念ながらカメラはまだザックの中。
日本岳直下付近に新しい鎖が付けられているのを発見。他にも安全対策が随分なされているのを見つけた。

0805 笙の窟 水場は凍りついておらず、早速一口頂く。
0810 発 まだ残雪はなく快調に歩く。程なく日本岳の鞍部を通過。

【石の鼻から小普賢岳、大普賢岳を見る】

0825 石の鼻 ここに差しかかる直前で残雪を発見。ここから上は様相が一変するのだが、すぐ先の木道にもほとんど雪がないのを見て取り敢えずピッケルだけザックから取りはずしておく。ブレード部分のカバーは付けたまま。 直射日光がきつく、気温が高い。カッターを脱ぐ。
0835 発 雪が少ないとはいえ、右に地獄谷を見降ろす北側斜面の細いトラバースは油断ならない。

【石の鼻のすぐ上部】

小普賢岳の肩にさしかかる頃から残雪の量が増え、アイゼンを取り出す。ここから一旦下るのだが傾斜がきついところに雪が沢山残っているのでアイゼンが助けになる。達者な人なら平気だろうがあるに越したことはない。
下り切り、また登り返す。概ね陽が当たる場所ばかりで雪はまた少なくなってきた。この様子だと半月程で夏道に戻るだろう。
大普賢岳にとりついて間もなく、緑色の橋を見つけた。狭く、両側が切れ落ちている部分に新設されたものだ。

0910 お地蔵さん 水色の、長い屈曲した線香とロウソクを見つけた。お彼岸に訪れたあの人達のものだろう。お地蔵さんは完全にその場所に溶け込んだ様子で賽銭まで貰っている。線香を上げる。

【お地蔵さん】

0915 発 さらに残雪が増えるが全然雪のないところとの混在で、アイゼンの脱着に忙しい。こんなとき、ワンタッチタイプは助かる。

昨年、粉雪がちらつきうら淋しかった現場にも陽が当たり雪もなく、誰がここで遭難したかと思うだろう。近くにある太い樹木の洞窟にも同じ線香とロウソクが。

【木の洞】

しばらく滞在してさらに上へ登ることにした。この時期は登頂が目的でないので通常ここから下るのだが今日はリハビリも兼ねて頂上へ。3 ヶ月のブランクと不摂生の影響は大きく、顎が上がり始める。

0945 大普賢岳着 先行者が数名、山名同定をやっている様子だが、遥か孔雀岳、釈迦ヶ岳を八経ヶ岳、弥山。八経ヶ岳を行者還岳などと言ってるので余計なお世話とは思ったが訂正しておいた。弥山の北斜面には少ないがはっきりと残雪が見える。やがて彼らは七曜岳に向かって出発した。
山名表示の文字が薄い青色に塗られている。小さいお地蔵さんが一体。これは行者のものか。
「いせ一貫堂」の札を見つけた。これはあまり登られない無名峰に多いと聞いているが、無名峰もついに登り尽くされたのか?

【大普賢岳頂上】

ビスケット、ソーセージなどで昼食とする。あまり汗はかくまいと、500cc のレモンティボトル一本しか持ってこなかったが、山頂の日射しはかなり強烈で水が足りない。石の鼻付近にツララがあるのでそれを利用しよう。
携帯電話の実験。通話可能を確認するなど、極めてのんびりと過ごした。

1035 発 アイゼンを付けたりはずしたりしながら下っていく。途中、あまり山慣れしているとは思えないグループ幾組かと出会う。小普賢岳の肩から下るあたりを随分怖がっている様子。今日はハイカーが多い。

1115 小普賢岳の肩 一休み。以前から鎮魂歌が書かれた看板があるが、ここに小さなお地蔵さんを初めて見つけた。ドリンク剤が供えてあるのも初めて見た。ここでの遭難者の命日は看板に書かれた日付なのか。
かなりへばってきて長休みとなる。

1125 発 今回一番危険なのが小普賢岳周辺のようで、石の鼻までの細いトラバースには神経を使う。
石の鼻に近づいてきて、ツララを見つけ、予定どおりペットボトルに放り込む。木道を渡ったら石の鼻に到着である。
1140 石の鼻 早速ペットボトルを開けるが氷が融けておらず、飲み水がなくなった。笙の窟まで下れば水場があるので格別問題はないが。
ここまで片手にピッケル、片手にアイゼンをぶら下げて歩いていたが、アイゼンをリュックに片づける。

1155 発 もう危険箇所はなく気楽に下っていく。
日本岳の鞍部で登ってくる三人組と出会う。これから七曜岳、無双洞を回るそうな。お疲れさん。
1205 笙の窟 水を飲み、またのんびり休憩する。大体四頭筋が痛み、左の踵に靴ズレができたようだ。
1220 発 上も暑かったが下はなお暑い。日射しがなければ寒かったと思うが。

【和佐又ヒュッテと大きな栃の木】

1255 和佐又ヒュッテ 自販機でドリンクを買い、ヒュッテ内へ。おかみさんと山の様子など少し話す。
入ってみて初めて気づいたが、入山、下山届け用紙が準備してある。パラパラとめくり、無駄を承知で一筆入れておいた。
1330 発 169 号も随分拡幅され、走りやすくなったものである。西名阪の料金所二ヶ所の渋滞は 2 キロ程度でさほど気にならない。
1630 帰着 風呂に入り、早目の夕食を済ませてさっさと寝る。

 歩行時間 0335
 休憩時間 0200
 合計時間 0535

 データが物語るように著しい体力の低下を感じた。しばらくは日帰りの軽いコースでリハビリが必要である。


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