(2001年7月12日掲載)
初めて撮影した天体写真にウォルフ・ライエ星という非常に特殊な性質を持った恒星が1つ写っていることがわかりました。 ■ウォルフ・ライエ星とは 多くの恒星(太陽のように自ら光り輝いている星)には表面があります。地球のように冷えきった硬い大地こそありませんが、”ここからが星の表面ですよ”という部分があるわけです。ウォルフ・ライエ星の場合、その表面にあるはずの物質が吹き飛んで星を構成しているヘリウム、酸素、窒素、炭素などの内容物が噴出しているのです。 どんな感じかと言うと、カリフォルニア大学バークレイ校宇宙科学研究所のホームページをご覧ください。ここをクリック。(直リンクなのでなくなる可能性がありますが。) このような星は全天でわずか300個しか見つかっていません。中でも大きく明るさの変わるものが最近見つかりました。 2001年4月、豊橋市のアマチュア天文家長谷田勝美さんは変光星の観測中に、1ヶ月間に11.8等から14.5等まで大きく変光する星を発見しました。それが偶然WR104というウォルフ・ライエ星だったのです。その長谷田さんはそれから1ヵ月後またまた変光星を発見してしまいました。しかもこれまたWR106というウォルフ・ライエ星だったのです。 ■初めて撮影した天体写真に写っていた! では、WR104やWR106はどの位置にあるのでしょうか。 1997年8月28日、200mm望遠レンズを赤道儀に乗せて、天の川の最も濃い部分に向けて撮影した初めての天体写真からさがしてみました。(オリジナルの写真はこちらのページにあります) WR104はちょうど暗くなっていたようで写っていませんでした。 |
●WR106 WR106はM20からさらに北の天の川の中にあることが調べによりわかりました。ただこの付近には凄い数の星はあるのですが特徴的な星が無く、しかも非常に暗いので写っているかどうか特定するのが本当に大変でした。 下の画像がWR106周辺の拡大です。左の画像は大きいのですが、実際の写真ではわずか1ミリ四方です。その範囲を4800DPIの高解像スキャナーで取り込んで画像処理してみましたが、やっと確認できるほどです。11.5等くらいでしょうか。 |
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