<土星を見よう>

 あなたが、小学生や中学生の時に買ってもらった天体望遠鏡が倉庫に眠っていませんか?レンズの直径が4cmから6cm程度の小型望遠鏡でも土星がよく見えますよ。さあ、ほこりをはらってもう一度観測してみましょう。



土星の写真


[木星と土星の写真]  1999年10月末、21時頃に撮影した木星と土星です。右上の明るい星が木星、左下の少し暗い星が土星です。
 200mm望遠レンズで撮影していますが、木星と土星周辺を集中して眺めたときの雰囲気もこんな感じで見られます。
 土星のすぐ左上には10月3日に発見されたばかりのリニア彗星C/1999 T3(LINEAR)が17等級で移動しているはずです(200mmでは写りませんが)。


土星の見つけ方

11月中旬の高知県の場合
 暗くなって少しすると東の空に昇ってきます。-0.1等星なのでかなり明るく見つけるのも簡単です。
 土星を見つける前に-2.9等という大変な明るさの木星の姿が目に飛び込んでくると思います。土星はこの木星を1時間30分ほど遅れて追いかけるように昇ってきます。ですから、先に木星を見つけて、そこから少し東よりの位置にある明るい星を探してください。木星より少しオレンジ色に感じるかもしれません。
 望遠鏡を持っていれば覗いてみてください。土星のリングまで観測できます。小型望遠鏡で倍率が低い場合は米粒を横にしたような光の固まりのように見えると思います。

 今シーズンの土星は昨年に比べて傾きが大きくなっています。土星のすばらしい姿を観望し、写真にも撮影しましょう。

 20cmのシュミットカセグレン(100倍から200倍程度)で観測した場合、木星に比べるとだいぶ小さいのですが、上の写真よりも少し明るく鮮明に観測できます。

土星データ

  • 軌道長半径  9.5549AU
  • 公転周期    29.46年
  • 軌道傾斜角   2.49度
  • 離心率      0.0555
  • 赤道傾斜角   26.7度
  • 自転周期    0.444日
  • 赤道半径    60268km
  • 視半径      9.71″
  • 質量(地球=1) 95.16
  • 極大光度    -0.5等級
  • 平均比重    0.69
  • 扁平率      0.108
  • 衛星数      18
  • 会合周期    378.1日
  • 説明
    •  太陽系の第6惑星。木星の次に大きい惑星です。土星は気体だけでできており、陸地はありません。土星表面の縞模様は、木星に比べると淡く、時々白い斑点状のもの(白斑)が見られるようです(私が使っている口径20cmのシュミットカセグレンではまったく模様は観測できませんが....)
    •  土星の環は、外側からE、G、F、A、B、C、D環と命名されていて、A環とB環の隙間は「カッシニの空隙」と呼ばれています。さらにA環は3つの部分に分かれていて、その隙間を「エンケの空隙」と呼びます。ボイジャーによる環の映像では、1000本以上の細いすじが、まるでレコード盤のように並んでいることが確認されました。環は赤道面にありますが、自転軸が公転軌道に対して約27゜傾いているため、地球から見ると約15年(公転周期の半分)ごとに環を真横から見る位置にきます。このとき環の消失という現象が起こります。
    •  土星は太陽系惑星の中で最大の18個の衛星を持っており、最大のものはタイタンです。直径は水星よりも大きく、大気の主成分は窒素と、他の衛星にはない特徴を持ちます。
    •  NASAの土星探査機カッシニ (フランスの天文学者の名)が1997年に打ち上げられ2004年に土星系に到着、探査プローブ「ホイヘンス」をタイタンに降下させる予定です。




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