左はコンポジットして見やすく調整したものです。 恒星の右側の数字はGSC星表からの光度です。 問題の怪しい光芒は丸の中にあります。 20cm f/6.3 1260mm シュミットカセグレン望遠鏡 BITRAN BT-10 冷却CCDカメラ フィルターなし |
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移動天体が見つからず、パソコン内でごみになるはずだった画像ですが、実際にはどこを写してしまったのか確認して反省材料にしようと思いました。GSC星表と見比べてもどこを写してしまったのかさっぱりわからず、測定ソフトのAstrometricaで自動マッチングさせてみました。そしたら、ピタリとマッチング成功。あれ???っということは彗星のいるはずの視野が写っているということでは? ステラナビゲータにGSC星表を表示させ、一つ一つの星をたどっていくと.....。 ありゃ、この怪しい光芒はなんだ?光が入り込んだのでゴーストか? ステライメージ4のブリンクコンパレータにかけてみるが、画像が悪いので移動しているような、してないような。ノイズがまるで彗星や小惑星のように移動することがあるので要注意。 画像がひどくてどこを測定してよいのかわかりませんが、とにかく位置を測定してみました。通常の操作ではまったく満足な測定ができません。1枚いちまいAstrometricaのパラメータをいろいろ変化させてみて、どうにか4つを測定しました。 彗星名 撮像時間 赤経座標 赤緯座標 光度 ------------+------------------+-----------+-----------+--------------------+--- CK03T030 C2003 10 30.40759 20 09 23.40 -52 15 11.2 D70 CK03T030 C2003 10 30.40950 20 09 23.59 -52 15 10.9 D70 CK03T030 C2003 10 30.41041 20 09 23.86 -52 15 05.3 D70 CK03T030 C2003 10 30.41132 20 09 23.66 -52 15 03.6 14.2 N D70見た目には全く移動してないように感じたのですが、精密測定してみると非常にゆっくりですが北上しています。 赤経方向の精度が悪いのは追尾エラーが原因でしょうか? Tabur彗星の軌道にあわせて動いている感じですが、これって、本物の Tabur彗星でしょうか? 私は本物と信じていますが......。 どうかな? |
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18時46分26秒 大急ぎで組み立て、コンピュータを起動。CCDを冷却している時間が無い。冷却しながら撮像開始だ。 導入は徐々にアライメントし目標に近づけていく。時間が無い。間に合わないかも。落ち着けおちつけ。 とにかく1枚。 恒星に尻尾が生えているのは、赤道儀のコントローラがまだ微調整している最中に露出を開始した為。 |
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18時47分50秒 2枚目。まだ追尾エラーが出ている。 早く止まってくれーー。 このままエラーが出つづけるか? 半泣き状態(びえーーーん)。 大気差のために視野に入っていないかもしれないと思ったが、確認している時間など無い。 一発勝負だ! |
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18時49分11秒 3枚目。 画像に変な光が入り込んでいることに気づく。 なんだ、この光は? この時点ではどれが彗星かわからない。ブリンクさせても移動天体はどこにも無い。 大気差のためか追尾エラーがわずかに出る。 |
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18時50分29秒 ファインダーで確認するともう山に沈む寸前。 3分露出をかける時間的余裕が無い。 3分1枚よりも1分3枚で勝負!! もう時間が無い。とにかく撮像だ。 ファイル名などつけている暇も無い。 自動保存モードに切り替えた。 |
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18時51分48秒 ブリンクコンパレータで移動天体を捜すがどこにも写っていない。 やはり導入に失敗したようだ。 高度3°以下。そう簡単に写るものじゃないなあ。 |
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18時54分35秒 何も写ってないと思うが、山が写るまで続けてみよう。 |
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18時55分44秒 もう山に隠れたかな? |
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18時57分31秒 最後に1枚。 しかし、移動天体はどこにも写らなかった。 最善を尽くしたのだが.....。 雲ひとつ無い星空だが、今夜はもう帰ろう。 |
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星図や天体の軌道図はAstroArts社のStellaNavigator for Windows 95の画面から作成しています。
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