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<2002年1月のひとりごと>



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2002年1月30日(水曜日) 晴れ
 【リニア彗星が突然増光!!】
 昨年12月には明るく観測できていたリニア彗星 C/2000 WM1 はその後南の方に移動し日本からは見られなくなったのですが、南半球ではどんどん明るくなっています。1月12日ころは6等級(肉眼では困難だが望遠鏡なら明るく見られる明るさ)と観測されていましたが、1月27日には突然4.6等(目が良い人なら肉眼でも見られる明るさ)まで明るくなり、その後も増光して29日にはなんと3.0等!肉眼で観測できています。その様子は南半球のアマチュア天文家のホームページなどで見られるはずですが、まだ探しあてることができません。
 それに関連して、南半球に在住する人たちのHPに興味があります。日本から見られなくなった移動天体や日本からは一生見られない星座や星雲が見られるはずです。そこでYahoo Austraria!! などで検索してみたのですが、登録されているサイトはアメリカや日本人が作った英語版のページばかりで、肝心のオーストラリアのサイトがなかなか見つかりません。
 ジンバブエ共和国(南アフリカ共和国の北東に隣接した国)やアフリカの各国からも観測データが流れていて、世界中に観測者がいることを感じさせます。発信国別の天文サイトのリンク集などを作ってみるのも価値がありそうです。

2002年1月29日(火曜日) 晴れ
 【ホットな情報が届いています】
 約6.3年で太陽を一周する彗星 7P/Pons-Winnecke の回帰が非常に暗い(17.5等~18.9等)ながらも観測されました。現在火星軌道の北側付近にあり、徐々に南下しつつ太陽に近づきます。それとともに地球が内側から追いつく形で彗星に接近します。5月下旬から6月上旬のころ、彗星は太陽に最も近づくとともに地球との距離も最も接近するという理想的なタイミングです。200mm望遠レンズでも写る可能性があるので注目しています。

2002年1月26日(土曜日) 雨
 【一日中梅雨のようなシトシト雨でした。】
 1月16日のこのコーナーに
 『このとき直交座標(写真)では、辺 ab < ac なのに球面三角(恒星データ)では ab > ac となるものがいくつかあり、相似であると判断すべきデータが蹴られてしまうケースが発生しました』
 ということを書きましたが、原因がやっとわかりました。2つの天体の球面座標から角距離を求める計算式が間違っていました(苦笑)。これを修正して精度が上がりました。
 ところが、またまた基本的な問題を発見しました。
 天体写真に写っている恒星と恒星データベースを自動的にマッチングさせるために、写真に写っている範囲内の恒星データを明るいものから順にいくつか読み込むのですが、赤緯が大きくなる(北極星方向に向けるほど)と赤経方向に読み込む範囲が狭くなるのです。軌道計算の学習をやったことがある人だったら、「ああ、やってしまったか」と嘲笑されるでしょうねえ.....。そうです、恒星データの赤経・赤緯に画角を単純に足し算してその範囲内のデータを取り出してしまいました。もう、ムチャクチャです。
 誤りには気づいたのですが、コンピュータの能力にも限界があることを考えると、実用的な速度で処理するためには工夫が必要です。やはりUSNO A2.0恒星データだけでやるには無理があるか?
 Tycho Catalogはディスクの中に眠っているのですが....。 

2002年1月23日(水曜日) 晴れ
 【うーーん........。なかなか....。】
 天体画像と恒星図の自動マッピングが完成!っと思ったら精度が6ピクセルもずれる部分があります。これじゃあ使い物になりません。写像関数のパラメータも手入力に比べて収束していませんし....。原理的にはこれで良いはずなので、比較星として恒星データを16個しか使ってないのが甘かったかなあ。もうちょっと丁寧な探索処理にしてみます。

2002年1月22日(火曜日) 晴れ
 【ちょっとだけ進歩】
 写真屋さんでプリントした天体写真に写っている星を虫眼鏡で拡大して見ると、きれいに丸く見えますが、冷却CCDカメラやスキャナーでコンピュータに取り込んだ画像は、拡大してみるとモザイクになります。  天体の位置を詳しく測定する場合はこのモザイクの間隔がどの程度離れているのかを知る必要があります。今日はこの部分の計算プログラムを作成し、画面の隅に表示されるようになりました。危うく直交座標で計算するところでした。プログラムは職業柄スラスラ書けるのですが、天文計算はど素人なので要注意です(苦笑)。

2002年1月21日(月曜日) 晴れ
 【脳みそが発熱】
 開発中の天体画像解析ソフトには18日のひとりごとのとおり、重要な解決すべき課題があります。でもどうにか、写真(直交座標)と恒星カタログ(球面座標)をマッチングさせるための写像関数を2系統計算し、計算誤差の小さい方を用いて座標変換する方式で解決できました。
 この改良は短時間でできると思ったのですが、直交座標から球面座標への写像関数と球面座標から直交座標への写像関数の両方を改良しないといけないことに気づきませんでした。想定の2倍以上の時間を要してしまいました。長時間集中してプログラムを作ったので脳みそが発熱した感じです。

2002年1月20日(日曜日) 曇りのち雨
 【久しぶりの強い雨】
 夕方になって徐々に雨が降り出し、夜9時ころになると雷を伴って強く降りました。強い雨が6時間ほど連続して降ったので水不足は多少緩和したでしょうか。
 天体画像解析ソフトは、マッチングの部分がほぼプログラミング完了しました。現在複数個導き出された写像関数のうちどれが最適解か判断する処理を作っています。私の能力では絶対不可能だと思っていた部分をどうにか克服し、まもなく抜け出します。何十回も挫折しそうになりましたが、目標に対する執念が勝ちました。

2002年1月18日(金曜日) 晴れ
 【ついに自動マッチングに成功!!】
 開発中の天体画像解析ソフトですが、天体画像と恒星データを自動的に対応させることができるようになりました。計算誤差も1ピクセル以内におさまっています。ただ、中心星として扱っている恒星の周囲10ピクセルの計算精度が悪いです。最初はバグかと思いましたが良く考えると特性です。対策として、中心星(第1中心星)から距離の遠い恒星を第2の中心星とした第2写像関数を計算し、第1中心星周辺を計算するときは第2写像関数を使って計算するような方法で回避してみようと思います。
 プログラムがだんだん汚くなってきました(笑)。後からいろいろ付け加えたり、デバッグ用の支援機能を作りこんだりしてぐちゃぐちゃになってきつつあります。上記問題の対策が完了したら、きちんと構造化したプログラムとしてまとめないと、わけがわからなくなってきました。

2002年1月17日(木曜日) 晴れ
 【すっごい暑い一日】
 真冬だと言うのに朝から窓全開でした。春のような暖かな風が部屋に吹き込んできました。夜になると寒さが少し戻った感じです。
 約6.3年で太陽を一周する短周期彗星、7P/Pons-Winneckeが徐々に近づいてきているはずです。まだだれも観測できてないようですね(?)。この彗星は今年の5月中旬から下旬に観測の好期を迎えます。地球と彗星の軌道の関係から回帰するたびに好条件になるわけではないのですが、今回の回帰では彗星が太陽に接近する時にちょうど地球との距離も近くなり、最も良い条件で観測できそうです。望遠レンズでも十分撮影できるまでに明るくなってほしいのですが。

2002年1月15日(火曜日) 小雨
 【ついに自動マッチング成功か?】
 四角形を構成して相似性で判断するように変更できました。340万パターンをすべて比較するのに2分かかります。この処理では4つの恒星の離角をひとつずつ計算しながら相似性を判断するので膨大な計算を行うことを考えると早いですねえ。でも腕を組んで待つにはつらいです。ところで、写真上の物体の位置は直交座標で計算していて、恒星データは球面三角法で計算しているのですが、このとき直交座標(写真)では、辺 ab < ac なのに球面三角(恒星データ)では ab > ac となるものがいくつかあり、相似であると判断すべきデータが蹴られてしまうケースが発生しました(辺abと辺acがほぼ等しい場合)。直交座標と球面三角で反転することってあるのかなあ。たぶん恒星の中心位置を求めるアルゴリズムに問題があるのでしょう。この対策は後回しにします。
 これで”手動設定”の画面で入力していた面倒くさいパラメータ設定を自動的に行える目処が立ちました。

2002年1月14日(月曜日) 晴れ後雨
 【再び数式と格闘中】
 天体画像解析ソフトの方向性が定まってきました。
『1枚の天体画像からなるべくたくさんの情報を搾り取ること!』
です!
 現在、写真に写っている恒星をクリックすると、その恒星の情報が画面にジャンと表示される機能を作成中です(これまでの進捗状況は1月2日のひとりごとを参照)。やっと写真画像と恒星図(恒星データ)をマッチングさせる部分までこぎつけました。大まかな方法は写真の中から16個の明るい星のピクセル座標を求めます。次にその周辺の恒星データから明るい順に16個取り出します。それぞれ16個の中から3つの恒星をとりだし三角形を作成し、その相似性に点数をつけます。点数が合格範囲内にあると、さらに比較恒星を加えてマッチングしていきます。これをすべてのパターンで繰り返すわけです。
 ところが最終のマッチング段階で、4つの点がないと数学的に解決できないプログラムになっていることに気づき、現在4角形で比較するように対処中です。比較回数が膨大になるのですが、現在のコンピュータパワーを持ってすればなんとか乗り切れるか(爆)。

2002年1月13日(日曜日) 晴れ
 【明るい新星らしき天体】
 久しぶりに明るい新星らしき天体(変光星の可能性あり)が見つかっていますね。8等級なので200mm望遠レンズでも楽に写せます。場所は、じょうぎ座の北東の部分に位置し、明け方空が白くなったころにやっと4°の位置(高知県)にしか昇りません。VSNETでも発見の報告が流れているだけで国内で観測したデータはまだ流れていませんね。南の方に住んでいる人。地の利を生かして観測してみてはどうでしょうか。正確な位置は下記のとおりです。
   15h 39m 29s.9  (J2000.0)
  -52o 19' 20"

2002年1月12日(土曜日) 晴れ
 【冷房を入れました】
 こちら、高知県は異常に暑かったです。デスクトップコンピュータが並ぶ会社の私の部屋は特に暑く、西日の差し込む時間になると窓を全開にしても汗がにじんできました。周りにいたプログラマー達も額に汗がにじんでいましたのでちょっとの間冷房を入れてしまいました。
 真冬なのに冷房!異常気象なのか、我々の体がストレスでおかしくなっているのか?

2002年1月7日(月曜日) 晴れ後曇り一時雨
 【突然の大雨】
 夜会社にいたら突然バラバラ....。ドドドド....。という轟音が響きました。わっ、テロか?地震の前触れか!と慌ててしまいました。その音が突然の大雨であることに気づくのに数秒も要しました。だって、日暮れまで晴れていたのですから。今夜も星空だろうなあなんて思っていた状況でしたからこんな凄まじい雨が降ることは想定にないわけです。ビックリしましたよ。雨は2分くらいで突然やみました。こんな寒い冬の夜に突然大雨が降ったわけですからびしょぬれになった人もいることでしょう。うわーー、寒そう。
 天体画像解析ソフトに恒星の自動認識機能を追加すべく開発を開始しました。仕様書もフローチャートも作らずいきなりプログラムコードを打ち込んでいます。やっぱりこのやり方が楽しいです。

2002年1月6日(日曜日) 晴れ
 【今日は何をしていたやら.....】
 昨夜は興奮収まらず寝たのが午前4時。
フラフラするくらい眠い頭で昨夜の川添さんと合流。天文ソフトをお借りし、そのまま会社へ。自分の机で30分昼寝。つまらないバグを4時間かけてやっと見つけた(苦笑)。突破口が開ける。夜帰ってきてまたまた川添さんと寒い路上で20分ほどしゃべる。コンビニの前で座ってしゃべっている中学生状態(爆)。傍目はどうでも、当人は楽しい瞬間だ。 

2002年1月5日(土曜日) 晴れ
 【関勉さん宅に大集合】
 今夜は関勉さん宅で新年会でしたが、いやーーーっ、実に有意義な時間でした!
 参加者は(関さんのご家族と)軌道計算で活躍されている村岡健治さん(小惑星5124に命名)、芸西天文台などで教育に携わっておられる岡村敬一郎さん(元校長先生)(小惑星4505に命名)、川添さん、そして私の7人でした。途中で上尾の門田健一さん(小惑星9751に命名)が電話での参加です。彗星や小惑星に命名されている人が5人(奥様も昨年小惑星8428に命名されました)も集結しました。関さんのご家族以外では初めてお会いする方ばかりで、多少緊張しました。門田さんとの電話での対談は村岡さんがわざわざセッティングして下さったのです(村岡さんありがとうございました)。初めてお話しするにもかかわらずいきなり盛り上がってしまってなかり長時間話してしまいました。門田さんも私もプログラマーなのでコンピュータテクノロジーの話でも盛り上がりました。もっとたくさんお話をしたかったのですが、なんたって埼玉-高知の長距離電話をかけて頂いているので料金が気になります。しゃべり足りないところはメールでと思いお別れしました(でも20分以上しゃべってたでしょうか?)。
 今夜お会いした人に共通するもの、それは『夢中になれるものを持っている』ということです。夢中になっている人はみんな表情が生き生きしていますね。
 『夢中になれる人は幸せだ』
 あっ、隣から「夢中になるのも良いけどほどほどにね」って声が....。

2002年1月3日(木曜日) 晴れ
 【高知県西部でも大雪による混乱が】
 昨日の画像では中心星の赤経・赤緯座標が表示されていませんでしたが本日表示されるようになり、これで手入力版は完成です。
 使ってみるとやはり中心星と他に3つもの恒星位置を手入力するのは面倒です。せめて中心付近の座標と画角を[11°]とか、[35mmフィルムで200mmの望遠レンズ]とか[800mm望遠鏡にST-8E]のように入力するだけで写っている恒星を特定できないと面倒くさくって使う気になりませんね。
 そこで実用的な速度で解析できるようなアルゴリズムを本気で考えてみました。順列や組み合わせなどと言う数学も久々に思い出しました(元々勉強などしてなかったのだが....)。現在基礎実験を繰り返しています。コンピュータの高速化と大容量化のおかげで、どうにか実用的な速度で計算できるような雰囲気です。

2002年1月2日(水曜日) 晴れ一瞬雪
 【初雪が一瞬だけ降りました。風花と言えば風流だが】
 天体画像ソフトですが、かなりお見事な機能がつきました。大まかな使い方は昨日のひとりごとのとおりですが、中心星と他の3つの星の座標を手入力するだけで、後は天体写真の恒星をマウスでクリックするとその星の明るさや正確な位置が表示されるようになりました。下記の画像がそれです。わし座新星1999 No2を写した写真を取り込み、新星の位置を調査した画面の一部です。この付近(1~2ピクセル以内)にある恒星で最も明るいものは赤光度で13.7等のものであることが表示されています(画面の下の方)。手入力する部分は白色のテキストボックスの部分です。他の部分はマウス操作で楽チンに入力できるように工夫しました。
 現在はマウスでクリックした恒星の情報が表示されるだけですが、これまでに得たいくつかの技術を活用すれば、まだまだたくさんの機能を追加することができそうです。本当は大まかな座標をひとつだけ入力すればあとはコンピュータが写真の座標を自動的に探してくれるような機能があると良いのですが、それは今後の研究課題です。
 ところで、使ってみて気づいたのですが、USNO A2.0って6億個近い恒星のデータベースで大変貴重なデータなのですが、どうも光度が納得いかないんですよねえ。赤光度と青光度の両方を見ているのですが、それでもなんか変.....。それとも変光星がそれだけ多いのか、またはフィルムの特性なのか。ソフトのバグじゃないと思うんだけど....。
 追伸:新星の右下に”21(5.1等)”のコメントが書かれているのですが、あれは間違いであることに今頃気づきました。


2002年1月1日(火曜日) 晴れ時々小雨
 【数式と格闘完了】
 明けましておめでとうございます。

 正月から数式と格闘していました。写真に写っている恒星を数学的に特定しようという試みですが、心配していた測定誤差による不確かさはまったく問題ないレベルで計算できました。
 まず、写真の中央付近の恒星とその周囲の3つの恒星の赤緯と赤経をステラナビゲータなどの恒星図から調べて入力します。そしてそれらの恒星のピクセル位置をX,Y座標で入力します。次に、調べたい恒星のピクセル位置をX,Y座標で入力すると自動的にその恒星の赤緯と赤経が計算されます。最後にUSNO A2.0の恒星データベースから、表示された赤緯と赤経の周囲0.02°程度の範囲(実際には1ピクセルに埋まっている角度を計算しておいてその2倍程度の角度を指定する)を検索して最も明るい恒星を探します。その恒星が調べたい恒星の正確な情報となります。誤差は2ピクセル以内で計算できるので十分な精度です。
 現在は計算部分はとりあえず表計算ソフトのExcelで作成していますので、これから画像解析ソフト本体にプログラミングしていきます。多分すぐに完成するでしょう。




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