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<2002年2月のひとりごと>



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2002年2月28日(木曜日) 小雨時々曇り
 【ふう....、暑い】
 1年で最も寒い季節であるはずの2月。我が職場では2基の冷房機をフル回転させました。窓を全開にしても暑いです。深夜11時になっても外気温が13℃で、薄着で歩いてもぜんぜん寒くないです。
 花粉が飛んでいますね。目が痒いです。鼻水はそんなに出ません。花粉が体に入ってもなんの害もないと思うのですが、私の体は徹底抗戦の構えです。えびを食べても徹底抗戦します。コンピュータの世界で言うところの 『バグ』 ってやつでしょうか。

2002年2月27日(水曜日) 曇り時々雨
 【池谷・張彗星のその後】
 池谷・張彗星(C/2002 C1)ですが、大昔に肉眼で観測された彗星と同一のものではないかと話題になっています。当初は1532年に観測された彗星C/1532 R1又は1661年2月に観測されたC/1661 C1ではないかと考えられていましたが、最新の観測データをもとに計算するとC/1532 R1の可能性はなくなり、C/1661 C1の可能性が高くなっています。ただ、何と言っても1661年の観測データは精度が悪いですから軌道計算者達は二つの軌道を連結するために試行錯誤しているようです。
 さらに、先ほど興味深いメールが届きました。
西暦877年2月に肉眼で見えた彗星と同一の可能性があると言うのです。この時の様子は日本の古い書物(複数存在)にも記録されているとのことで、海外での記録などとあわせて位置を計算すると、ピタリとその位置に池谷・張彗星が表示されるようです。
 肉眼で見られる可能性があり楕円軌道を描いている彗星は大昔の人も見た可能性があるわけですね。こういうことを調べるのも面白い研究テーマだと思います。

2002年2月24日(日曜日) 晴れ
 【一日中部屋にいました】
 休日に部屋に閉じこもっているなんて珍しいことです。夜になってから夜食を買いに近くにできたコンビニに行きました。快晴で夜空には明るい星と月が出ていました。デジカメで月面撮影でもやれば良かったです。
 「小惑星ハンター」 渡辺和郎著 誠文堂新光社
を読みました。小林隆男氏の小惑星自動捜索システムの話も出ています。赤道儀の制御、CCDでの撮像、天体の検出、画像と星表とのマッチング、標準座標による位置測定まで自動的に行われるとのこと。
この本が出版されたのは1996年3月なので、その時にはすでに稼動していたことになります。その当時のコンピュータは最高速でも、たしかPentium 133MHz程度(現在の最高速PCの20分の1)でした。OSはWindows 3.1の日本語版がやっと普及し始めた頃です。でも開発に何年かかかっていることを考えるとMS-DOSで開発しているはずです。わずか640KBのメモリー(実際には490KB程度しか使えませんが)でこれだけの高機能を達成したことは驚くべきことです。実際には数台のコンピュータを並列処理(分散処理)させていると思いますが、当時としてはそういう分散処理技術自体が高度な技術でした。
 それから7年が経ちました。小林氏は今もシステムの改良を続けているのでしょうか。改良を続けているとしたらいったいどんなシステムに進化しているのでしょう。 

2002年2月23日(土曜日) 晴れ
 【冷房入れました!!】
 最近の高知県は暑いのなんのって...。わが職場では窓を全開にしてもまだ暑いので、真冬だと言うのに冷房を入れてしまいました。15時過ぎに外出しましたが、車の中が非常に暑くて冷房フル回転です。でも外気温度計を見ると12℃しかありませんでした。30℃を越える真夏に突然12℃になったら体がおかしくなるほど寒いはずです。人間の体って環境にうまく適応するんですね。

2002年2月22日(金曜日) 晴れ
 【最小自乗法組み込み中】
 なんとか理論が理解できました。いくつかのプレート定数を求めてから最小自乗法で(プレート定数の)最適解を計算しようとしていました。本当は連立方程式を作る段階で最小自乗法を使う方法が正しいのですね。また、連立方程式の解を求めるときに手計算でのやりかた(消去法)をそのままプログラミングしていましたが、今後の複雑化に適応できるように行列式を用いて解くプログラムに変更しようと思います。プログラムの変更には2,3日必要です。

2002年2月17日(日曜日) 曇り
 【おっ、結構使えるぞ!】
 2、3日前に関勉さんが芸西天文台の60cm反射鏡(f2300mm)で撮影したV838Mon(いっかくじゅう座の新星)の写真が手元にあったので、開発中の画像解析(精測)ソフトを使って位置測定してみました。
 中央の明るい星がV838Monなので、その周囲の4つの恒星を選んでその位置を手入力。そして、測定したい星の中心を思われる部分をクリックして[+]マークをつけました。[表示(D)]ボタンを願いを込めてクリック!あれ?赤緯がぜんぜん違う。もしかして、赤緯がマイナス座標の場合うまく計算できてないのでは....。そのとおり。赤緯を文字列から浮動小数点(double)に変換するときのミスでした。
 気を取り直して、今度こそとクリック!
 ニンマリ。ニコニコ。でれーーーっ。がはははは......。
 もう...、隠しようのない笑顔。
 そこに表示された位置は(USNO A2.0使用)。
   07h04m04.84s  -3o50m51.62s(1回目)
   07h04m04.80s  -3o50m50.87s(2回目)
   07h04m04.75s  -3o50m50.13s(3回目)
 ちなみに、関さんが精測した位置は
   07h04m04.83s  -3o50m50.6 s
 USNO A2.0カタログでは
   07h04m04.84s  -3o50m51.11s
うーーん、なかなか良い感じです。
 ついでにUSNO A2.0カタログの全恒星データを画面にプロットしてみました。赤い○がそれですが、V838Monの広がった光の中にも2つの恒星(R光度で13.3等と14.7等)があるんですね。周辺になるとずれているのがわかります。現在は4つの恒星だけを使ってプレート定数を求めていますが、今後周辺の恒星も使っていくつかのプレート定数を計算し、全体的に妥当なプレート定数を求めるよう改善する予定です。

 下の画面をクリックすると実寸大で表示されます。興味のある方はどうぞ。

クリックすると実寸大で表示されます
開発中の画像解析(精測)ソフトの画面
2002年2月14日(木曜日) 晴れ
 【初の彗星発見か!???】
 いっかくじゅう座付近を写した写真に、「小惑星でも写ってないかなー」と舐めるように眼視スキャンしていたらボーっとした彗星状天体が写っているではありませんか!!
 ついに彗星発見です!!池谷さんに次ぐ今年2人目の日本人による明るい彗星です。まずは、位置を測定しなければなりません。ステラナビゲータを起動して周辺から徐々に対象天体周辺をたどっていきます。砂のような凄い数の星をたどりながらついに到達しました。
 そこにあったものは、『ハッブル変光星雲』!
 納得です。
 200mm望遠レンズでもハッブル変光星雲がそれなりに写るのですね。下の写真は200mm望遠レンズによるおそらく世界初のインターネットに公表されたハッブル変光星雲です(恥ずかしくって、だれも公表しないだけだという声が......)。1mm四方を4800DPIの高性能スキャナーで取り込んだものです。ハーーッ、小さい........。


2002年2月13日(水曜日) 晴れ
 【初の超新星撮影成功か!?】
 下の写真はうお座のM74にある超新星 SN2002ap です(???)。
12等級の報告が毎日のように送られてくるので、透明度が良かったら写るかもしれないと思い、いつもの200mm望遠レンズで撮影してみました。ナマ写真を見るとレンズに着いたカビのように見えますが、それがM74(中央の白いぼーっとしたもの)でした。どんなに眺めても周囲に恒星像はまったく見えないのですが、強烈に画像処理するといくつかの恒星像が浮かび上がってきました。矢印の先にある明るい固まりが超新星だと思うのですが....。ただのノイズの可能性もあります。まあ、いずれにしても200mm望遠レンズでは超新星の観測は無理ということですね。

2002年2月11日(月曜日) 晴れ
 【祝日で写真屋さんはお休み】
 9日に撮影したフィルムをプリントしようと写真屋さんに走ったのですが休業でした。写真は明日になります。
 作成中の天体位置測定ソフトにTycho-2カタログの実装をはじめました。USNO A2.0だけで計算するとやはり重たいです。それに写真光度とA2.0のR光度が一致しないものが多いので、自動マッチング処理に膨大な時間を要してしまいます。すでにTycho-2カタログはダウンロードしてあるので、現在英文の説明書を一生懸命読んでいます。明日くらいからプログラミングできるかな?

2002年2月9日(土曜日) 晴れ
 【池谷さん発見の彗星、初観測!!】
 18時に仕事が終わってダッシュでいつもの観測場所に急ぎました。この季節にしては透明度が悪いうえに、彗星は西の空低かったので見られないのではと思いましたが、目盛環で導入し前後左右にグイーーーン、グイーーンとモーターを回しているうちに、丸い霧状の物体がスーッと入ってきました。9等級なのでアマチュアの機材で眼視観測するには決して明るいとは言えないのですが、光が小さくまとまっているので私のようなど素人でもちゃんと認識できます。小さな球状星団のように見えますね。200mm望遠レンズで撮影してみました。10分露光を2枚撮影しようとしましたが、2枚目の撮影中に西の山に沈んでしまいました。明日か明後日写真屋さんにプリントに出します。
 この彗星は今後も西の空低いままですが、太陽に近づくにつれ、4等級まで明るくなると予報されています。

2002年2月8日(金曜日) 晴れ
 【"計算奉行"とバッタリ....。】
 今日は昼休みに、大きな書店で数学書を探していたら、突然「やあ、こんにちは!」ってだれかが現れました。小惑星や彗星の軌道計算でお世話になっている村岡健治さんでした。会議の合間に来られたとのこと。挨拶もそこそこで「最小二乗法の本を探してるんですけど、なにか良いのありませんか?」っていうと一緒に探してくれたのですが、あいにく良書はありませんでした。でも、私が必要としている最小二乗法程度だったら数学書を読破する必要はないとのことで、後日コピーを送っていただけるようになりました。
 「村岡さん、首をながーーーーーくしてお待ちしています!!」

2002年2月7日(木曜日) 晴れ
 【超新星はぜんぜん新しくないのだ!!】
 ”超新星”って言葉を聞いたことがありますか?
 「M74に超新星発見」なんていう言葉を聞くと、新しい星がM74の中に生まれたんだな。おめでたい。などと思ってしまいそうですが、そうじゃないんですよ。本当は大爆発した星が今までの数千倍とか数万倍という明るさで光り輝くので、突然そこに新しい星が生まれたように見えるのです。その原理がまだわからなかった頃に呼ばれていた言葉が今でも使われているわけです。
 その超新星ですが、遠くの銀河の中で発見されるので望遠鏡を覗いても見えないほど暗いです(望遠鏡を使って写真を撮ると写る)。200mm望遠レンズで撮影している私には対象外なのですが、最近凄く明るい超新星が発見されました。それが、うお座の銀河M74に発生したSN2002apです。現在12等級と超新星としては非常に明るいものです。
 12等級だったら200mm望遠レンズの私でも撮影できそうなので、一昨日気合を入れて撮影に出発しようとしたら、とつぜん歯が痛くなりました。撮影どころじゃありません。歯痛が治まった頃には西の空に沈んでしまいました。早く撮影しないと暗くなってしまう!!

2002年2月4日(月曜日) 晴れ
 【星の明るさはいつも同じじゃない!!】
 子供の頃天体望遠鏡を買ってもらったのに、月や土星を見ただけで倉庫に格納してしまった人は多いんじゃないでしょうか。そう、何も知識がないまま観望しているから探究心が芽生えないからですよね。それと、いつ見ても同じだから飽きてしまうのです。でもあなたが知らないだけで宇宙は凄い勢いで変化しているのですよ。
 宇宙には明るさが変化する星がたくさんあります。”なぜ、明るさが変わるのだろう?”と一生懸命観測していると、当初想像もしなかったことが原因で明るさが変わっていることがあります。ここで詳しく述べると長くなるので、以下のページを読んでみてください。変光星に興味を持つ人が現れるかな?
http://www.jupiter.sannet.ne.jp/funada/nhk/info/chuusyou.html

 このところ vsnet という変光星を観測している人たちのe-mail による連絡網がパニックのようになっています。1日に100通くらい最新情報が届いています。理由は以下のとおりです。
----- 以下転載 -----
           VSOLJ ニュース (084)
     いっかくじゅう座の奇妙な新星?V838 Monの突発増光
           著者 :加藤太一(京大理)
       連絡先:tkato@kusastro.kyoto-u.ac.jp

 VSOLJ ニュース (077) でお知らせした「いっかくじゅう座に奇妙な新星?特異 変光星?」の天体は、V838 Mon(いっかくじゅう座V838)と命名されました。 この天体の正体は不明のまま、2月1日まで徐々に減光を続け、11等近くまで減光 していました。  ところが、2月2日になって急激な増光に転じ、現在1日2等級を超える速度で増光を続けています。このような急激な変化は過去の新星ないし類似天体で観測 された変動をはるかに超えており、今後、この天体がどのような変化を起こすか まったく予測できません。場合によっては肉眼で見えるほどの明るさに達する可能性もありそうです。我々の経験したことのない天体現象の可能性があり、あら ゆる種類の観測が望まれています。----- 転載ここまで -----

 どうですか?宇宙は変化し続けているのです。
 今日は”変光星”だけ話しましたが、まだまだたくさんの変化があり興味は尽きません。
 明日は”超新星”です。いや、”彗星”にしようかな....。

2002年2月1日(金曜日) 晴れ
 【リニア彗星の画像!!】
 リニア彗星C/2000 WM1 のオーストラリアで撮像した画像が以下のページにあります。
 http://members.ozemail.com.au/~lovejoyt/southern.htm
...っと言うメールがいつもお世話になっている天文家の方から送られてきたのですが、最初は昔の大彗星の写真かな?と思いました。
 あと2ヶ月ほどしたらまた北上してきて日本からも観測できるはずです。そのときはどんな風に見られるのか楽しみです。




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