3月19日に『50年後への希望(会報・銀河第6号)』と題して5月21日早朝の金環日食への期待を書いたのですが、ついにその日がやってきました。
どこでどうやって観測しようかといろいろ考えたし、多くの時間を使って面白い条件の場所を調べたりしましたが、けっきょくは芸西天文台で、天文台の設備を使って観測することにしました。
午前3時半にアラームが鳴る前に目が覚めてしまいました。
前日の夜は雨が降ってしまいましたので、せめて雲を通してでもいいので1枚だけでも記録に残したいと思い、天文台へ向かいました。
東の空に青空が見える 午前6時6分
午前7時8分 撮影準備完了
この時間、73%ほど欠けていたはず
どよ~んと曇り
午前7時27分 金環状態になっているはず
望遠鏡が向いている方向は完全に曇り
南のほうに青空があるが雲が全く移動しない
首にかけていた70mm-300mmズームレンズで激写!
あわてていて70mmのまま撮ってしまった。
雲が一番薄くて明るい部分ではなく、その上にあったのでいったい何だろうと思ってしまった。
この画像が最も欠けた時の画像だ。
拡大画像
ほんの5秒程度でまた雲に隠れた。
次に出てきたのは8時2分45秒。
午前8時2分45秒 再び現れた
ズームレンズを300mmにして撮影
周囲の雲が少し薄くなってきて、太陽観測フィルターを通しても見られるようになってきたので、15cm屈折望遠鏡で撮影。多くの太陽黒点もよく写った。
午前8時21分40秒
15cm F8屈折望遠鏡 + Nikon D700
Copyright (C) 2012 芸西天文学習館
ピントを合わせてないことに気づきあわててファインダーをのぞく。
いきなり人の顔が映りびっくり。ああ、自分の顔が反射しているのか。
真剣な時はいつもこんな顔しているのかな?
午前8時35分35秒 月に隠されていた太陽黒点が現れた
15cm F8屈折望遠鏡 + Nikon D700
Copyright (C) 2012 芸西天文学習館
午前8時48分40秒 左下にまだわずかに重なっている
15cm F8屈折望遠鏡 + Nikon D700
Copyright (C) 2012 芸西天文学習館
午前8時50分 終わった
片付けようとしていたら、天文台から2.8km南西にある琴ヶ浜で一般公開をやっていた講師たちがドームにやってきた。こちらは肝心の時に雲に邪魔されてダメだったことを告げると、琴ヶ浜では金環状態の時にちょうど雲の切れ間ができて、奇跡的に金環日食が見られたとのこと。
がが~~ん!!
琴ヶ浜は上の写真でいうと、ちょうどドームの向こう側の砂浜である。雲がどのような構造になっていてわずか2.8km南西から見られたというのだ。
ということは、一般公開に参加していた100人ほどの参加者と、愛媛県や香川県から前日の特別講演会の後宿泊してから琴ヶ浜で観望していた人たちみんなが金環日食を見られたことになる。
関係者では私1人だけが見られなかったのだ。
このショックは大きい。
今回観測に使った望遠鏡
片付けている最中に2羽のツバメがドームの中を何度か飛び回った。ツバメにさえ嘲笑されているような気分である。
琴ヶ浜や室戸でみごと金環日食が見られた人達が人生の成功者に見えてしまうのは気のせいだろうか。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.
2 comments for “金環日食は曇り時々晴れでした”