10月20日(UT)に西山浩一さんと椛島冨士夫さんがわし座で発見した新星らしき天体を撮影しました。矢印の先の真っ赤な星がそれです。
新星らしき天体と言っても、とつぜんそこに新しい星が生まれたわけではありません。もともとそこにあった星(連星)が何らかの理由でとつぜん数百倍に明るくなったために、まるで新しく星が生まれたかのように見られるものです。
NOVA AQUILAE 2012 = PNV J18523496-0018423
もともとどんな星があったのかなと思ったので調べてみました。
下の白黒画像はDSSの画像ですが、それに私が撮ったカラー画像を正確に重ねてみました。赤いのが今回の新星らしき天体です。
DSSの画像をよく見ると、同じ位置に非常に暗い天体がすでにあるようにも見られます。
DSSの画像と重ねたもの
詳しく位置を測定してみました。下の画像はDSSの画像からそれらしき天体を測定してみたものです。19.3等程度(ウェッブサイトで公開されているDSSの画像からの測定なので正確ではありません)の天体がすでにあるようにも見られます。ただし、この付近は天の川銀河の中心に近いエリアで、銀河の向こうが見えないほど多くの恒星で埋もれている領域なので、必ずしもこれが増光したものであるとはいいきれません。実際には1.5"ほど南にあって、DSSには写ってないほど暗い天体のようにも感じます。
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増光した可能性のある天体
発見の報告では12.6等とされているので、仮に元の星が19.3等だったとすると、460倍増光したことになります。あの星でどのような激しい活動が突然起きだしたのか、非常に興味がありますね。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.