先週の「芸西天文台冬の天文教室」が終わった後、天文台の上の丘で星景写真を存分に撮影した後ドームに入ってみると、O講師がM1星雲に向けて口径70cm反射望遠鏡の背中に乗っている15cm屈折望遠鏡に小型のCCDカメラを装着してM1星雲を撮っていました。70㎝の方は使われてなかったので眼視観望装置をのぞいてみるとM1星雲がよく見えていました。”良く見える”っていうのはどんなイメージなのかというと、下の画像のような感じです。
天体写真を見慣れている人にとっては、「え~、70cmの大きな望遠鏡でもこんなに淡いの?」って言われそうですね。そうなんです。新潟県の佐渡島のように見えたら”良く見える”と言っていいのではないでしょか。天文台のドームの中は制御用コンピュータのLEDやディスプレイの明かり等でかなり明るく、どうしても目がそちらに合うので淡い天体はなかなかきれいに見ることができません。もちろん、遮光カーテンを用意してあるので、それをかぶせて真っ暗闇にすることもできますが、小さな子供は怖いので懐中電灯をつけたり、自分の顔を懐中電灯でライトアップして遊んだり、外での星座解説を聞こうとして靴を探すためにライトをつけたりするのであまり意味がないです。ですから、公開天文台での観望会ではだいたい上の画像のようなイメージなのだと思います。
これがカメラで撮るとぐっと鮮明な画像が得られます。同じ日、70cm望遠鏡のベントカセグレン焦点にデジカメPENTAX K-5を装着し、10分間シャッターを開けて撮影した画像が下のものです。上の眼視観望のイメージはほとんど白黒でしたが、デジカメだと色がわかりますね。
クリックすると大きな画像が表示されます
70cm F5反射望遠鏡, PENTAX K-5, ISO-1600, 10分露出
画像処理なし
上の画像をもうちょっときれいなイメージにするためにお化粧(画像処理)をします。どうでしょうか。天体写真集やネットで見る画像に近くなったでしょうか。
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70cm F5反射望遠鏡, PENTAX K-5, ISO-1600, 10分露出
ステライメージ8で画像処理し、Lightroomで色彩を強調
画像処理するとこんなに色が豊富なのに、淡い天体は眼視ではほぼ白黒です。これは人間が生きていくのに闇夜での色の違いまでは識別できなくても大丈夫だったということなのかもしれません。
しかし、ごく淡い色の違いには鈍感でも、明るさに関しては敏感だと感じることもあります。その話はいずれまたしましょう。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.