『下の画像はハッブル宇宙望遠鏡が暗黒星雲を写した未発表の画像です。』な~んて言うと「おおっ!!」と感激されそうな画像ですが、実は今日西の空に表れた、ただの雲です。広視野の画像から一部分を切り出し、簡単な画像処理を行ったものです。それだけで『ハッブル….』って騙せそうな画像になりました(笑)。
天体写真を撮った後、画像処理をしていていつも考えるのですが、「この天体は本当にこんな色や姿をしているのだろうか?」ということです。リング状星雲のM57なんかカラーフィルムで撮っても、カラーの冷却CCDカメラで撮っても、一眼デジカメで撮っても、やはり赤いリングに写ります。しかし、眼視で望遠鏡を覗いてみると、けっして赤くはなく、白い輪に見えます。あれを「赤く見えた」という人はいないのではないでしょうか。オリオン座の大星雲なども写真には赤く美しく写りますが、眼視ではやはり背景をライトで照らされたような白い雲状に見えます。
私を含め多くの天体写真家は自分の意図したイメージになるように画像処理していると思います。しかし、実際には下の画像と同じで、本当の姿とはかけ離れた、かなり強調された姿になっているのかもしれません。
普通の雲の画像処理をやっていてそんなことを考えました。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.