23日は導入精度が極端に悪かったです。どうも、3点によるコンピュータへの座標の設定がミスっていたようです。
失敗談です。明るいマックホルツ彗星 C/2004 Q2 (Machholz) を撮像しようと望遠鏡を向けました。そしたら、下の画像のように明るい彗星とその横に小さいながらも明るい楕円銀河が写りました。マックホルツ彗星と楕円銀河のランデブーだ。絵になるなあと散々写しました。家に戻ってから彗星の位置を精密測定しようとしたんですが、どうもうまく座標が合いません。20分くらい格闘した結果、中央の彗星状の天体はマックホルツ彗星じゃなくて系外銀河ではないかと思いました。DSSでその周辺60’角を調べた結果、ガーーン、ありました。マックホルツ彗星の位置より西南西30’程度の場所に2つ並んだ銀河が。ああ、ショックです。彗星と銀河を間違えるなんて….。あの明るいマックホルツ彗星の観測に失敗する観測者が世界のどこにいるでしょうか。
くやしいので、超新星でも写っていれば成功談になると思って眺めたのですが、調べるまでもなく一目でそんなもの写ってないのがわかります。小惑星でも写っていればと最後の頼みでブリンクコンパレータにかけてみましたが何も移動天体は写っていませんでした。
ゴミ箱に捨てるのももったいないのでひとりごとのネタにしました。銀河の名前がわからないので座標を測定しました。
中央の彗星状の銀河の座標は
R.A. 05h08m52.87s Dec. -29o15’04.3″
楕円銀河の座標は
R.A. 05h08m42.73s Dec. -29o16’34.6″
この付近(オリオン座のずっと南のはと座とちょうこくぐ座の境界付近)には、こんな小さな銀河が非常にたくさんあって、これからも度々だまされそうです。用心用心。
(10/27追記)
彗星状の銀河は NGC 1812 で、楕円銀河は NGC 1811 でした。23日に調べたときには表示されてなかったのですが、もしかしたらステラナビゲータのNGC天体の表示条件を12等級以上に設定したまま調べたのかもしれません(ミス続出)。
彗星と間違えた星雲(NGC 1812, NGC 1811)
2004年10月23日 3時30分
0.20-m f/6.3 Schmidt-Cassegrain + CCD
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.