梅雨の合間の晴れ間を期待して芸西天文台に行きましたが、天気があまり良くなく、彗星を5分~10分露出で撮像している途中で雲が通過するありさまで、ボツ画像ばかりになりました。
こういうときはお楽しみモードに突入です(笑)。雲の無い方向に適当に向けて1分露出程度で撮像できるものを撮りまくります。ですから、これは楽しみであって"観測"ではありません。万一新天体でも見つかったら儲けものです。
とはいっても完全曇りではどうしようもありません。「晴れないかな~」なんて思いながらドームの中で自分のHPの10年以上も前に書いた記事を読んでいたら、WR106(ウォルフ・ライエ星)をたまたま写して嬉しそうに掲載しているページがありました。「ウォルフ・ライエ星(WR106)が写っていた!!」という記事です。1997年、まだ天文の知識がほとんどなかったころに、200mmの望遠レンズを天の川の濃い部分に向けて撮った1枚のカラー写真です。あのころは何を撮っても楽しくて、星が写るだけで嬉しかったころです。写真をルーペで拡大しながら1つ1つの星の色を眺めたり、星の名前や光度を調べたりしたことです。
懐かしいなあ~、なんて想い出していたのですが、これを70cm反射で撮ったらどんなに写るんだろうと思い、ちょっと撮ってみることにしました。
WR106がある夏の天の川の方向を見るとちょうど良い具合に昇ってきて、しかもうまい具合に晴れ間になっていました。
雲が隠さないうちにと大急ぎで撮った画像が下の画像2です。違いがわかるように1997年の画像と同じ画角にトリミングしてあります。
下の画像1は当時の画像です(写真の1mm四方を4800DPIでスキャンしたもの)。
(写真1) WR106
1997年8月28日撮影
200mm望遠レンズ + カラーフィルムカメラ
(写真2) WR106
2010年6月16日撮像(1分露出)
70cm反射望遠鏡(焦点距離 5,000 mm) + Nikon D700
Copyright (C) 2010 芸西天文学習館
1997年の画像を見ると赤く写っているので赤色超巨星なのかなと想像していたのですが、上の画像を見ると白く写っています。青色超巨星なのでしょうか?この分野は勉強不足でよくわかりません。
ついでに位置と光度を調べてみました。下の画像は測定中の画像です。
位置は、
R.A. 18h04m43.66" Decl. -21o09'30.6"
光度は11.0等と出ました。今一番明るい時期ということになるでしょうか。
13年経った今でも星空に対する興味は失せていません。これからも「ちょっと撮ってみよう」と、いろいろな天体を撮像してみようと思います。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.