2012年は正月三ヶ日は雲が多かったので、7日になってやっと初観測ができました。と言っても月齢13.4の満月と言ってもいいような明るい月が東にあったので、西にある明るい彗星しか撮れませんでしたが。
下の画像はリニア彗星C/2010 S1 (LINEAR)の画像です。中央にある少しぼ~っとして左上に向けて太く短い尾があるものが彗星です。画像ではよくわかりませんが、現在下方向(南)に向けてゆっくり移動しています。
C/2010 S1 (LINEAR)
2012年1月7日撮像
この彗星は2013年5月に太陽にもっとも近づきますが、軌道が大回りなので木星より少し遠いくらいの距離までしか近づきません。そのため、明るさも現在の15.2等からそれほど明るくはなりません。望遠鏡とデジカメを使った撮影は比較的容易ですが、眼視観測は暗くて無理でしょう。
下に軌道図を示します。
C/2010 S1(LINEAR)の軌道図
赤い線が彗星の軌道で、水色の点が現在の彗星の位置です。太陽系の果てからやってきて、いまやっと太陽に接近していることがわかります。この後、何十万年もかけて彗星の故郷に帰っていきます。帰った後はどうなるかというと、再び何十万年もかけて太陽に近づいて来ると思います(確かではありませんが)。もしかしたら、二百万年くらい前にもやって来ていたのかもしれません。
私たちのご先祖様が二足歩行の練習をしていたころにやって来ていたかもしれないなどと想像しながら画像を眺めるのも面白いです。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.
2 comments for “遠くからやって来た彗星”