小惑星2012 DA14の撮像に成功しました

 小惑星 2012 DA14が2月16日4時25分(日本時間)ころ地球にわずか27,700km(地表面からの距離)まで大接近するということで盛り上がりました。
 私はどこでどうやって撮影しようかといろいろ考えましたが、結局、直前になって芸西天文台の70cm反射望遠鏡で観測しようと決めました。
 午前3時に天文台で高知新聞の記者さんと待ち合わせの予定でしたが、出発直前になっていろいろ心配になり、念のためにと各種資料をプリンターから打ち出したりしていて、天文台に着いたのは4時前でした。
 大急ぎで観測準備を行いながら記者さんに説明したりして大忙しです。
 本当は70cm反射に冷却CCDカメラを取り付けて測定用の画像を撮像し、もし導入がうまくいかなかったときのために、視野の広い15cm屈折に一眼デジカメを装着して撮影に挑戦しようとしていました。しかし、忙しくてそんなことは無理だろうと判断して、記者さんのカメラを15cm屈折に着けて、あとは記者さんに勝手に撮ってもらう作戦にしました。15㎝は70cmの背中に乗っていて同じ方向を向いているので、記者さんは露出の設定とシャッターに集中できるはずです。
 もうだいぶ北上してきたかなと時計と資料を見ると、すでに十分写せる位置に上がってきていました。
 大慌てで、望遠鏡を操作しましたが、この前の定期メンテナンスの後、18度までしか傾かなくなっているので写せません。そこでぎりぎりの位置に向けて待ち伏せしました。
 ここから短時間露出を繰り返して視野に飛び込んでくるのを待ちました。しかし、不安がありました。70cm反射は焦点距離が5000mmもあり、視野が28′ x 28’しかないのです。軌道の計算精度がこの範囲内に入っていることを祈りました。最接近は4時25分頃と伝えられていましたが、すでに時刻を確認する余裕はありませんでした。ただひたすら撮像操作を繰り返すだけです。
 4時24分57秒、画像の上の方に太い1本の線が写りました。ついに捕えました!!暗い中でパソコンを操作しているので操作ミスをして保存に失敗したらだいなしです。ファイル名を付けている時間はないので、撮像ソフトが連番でつける名前をそのままで保存しました。
 地球へ大接近したまさにその瞬間の画像です。


小惑星 2012 DA14
2013年2月16日 4時24分57秒撮影

 2枚目を即座に撮影しましたが、すでに視野の外に逃げていました。
 望遠鏡を少しずつ北に移動させながら探しましたが、移動が速くなかなかうまく追跡できません。そこで、先回りして待ち伏せする作戦に切り替えました。この方法がうまくいき、薄明まで53枚撮像することができました。
 この時刻、地表は夜でも人工衛星が飛んでいるような上空にはすでに太陽があるようで、非常に多くの人工衛星が写りました。下の画像は縦に動いているのが2012
DA14で左から右上に向かっているのが人工衛星です。また南北方向に飛んでいる人工衛星も多く、時々写ってあぶなく騙されそうになりました。


小惑星 2012 DA14と人工衛星
2013年2月16日 4時29分48秒撮影

 途中しし座のM65とM66のすぐ西を通過しそうに見えたので一緒に写そうとM65に向けて待ち伏せましたが、視野が狭く一緒に写すことはできませんでした。しかし、15㎝で30秒露出のインターバル撮影をやっていた記者さんのカメラには見事に2つの銀河とともに写りました。この時、記者さんはドームの外で広角レンズを使って撮影に挑戦していたのでした。この写真が高知新聞の2月16日夕刊のトップに掲載されました。また17日の総合版(というのがあるらしい)にも掲載されていたらしいです。17日の朝刊を買ってみましたが掲載されてなかったので、夕刊が届けられない地域用のものでしょうかね?
 今回は高度な軌道計算ができる人たちに恵まれ、天気に恵まれ、望遠鏡に恵まれ撮影が成功しました。もう一つ、精測という目標があったのですが、こちらは、時刻の精度が1/10秒を要求されるものであったので、1秒単位の撮影時刻しか保存できない撮像システムでは無理でした。将来の課題です。



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