冥王星の軌道を計算してみて認識を新たにしました

 昼間はずいぶん暖かな一日でした。窓を全開にしても暑くなってきたので、サーバーの監視用ディスプレイを2つほど消して、通路側のドアも開放して風を通しました。夜は残念ながら観測意欲がなくなるほど透明度が悪くなりました。

 冥王星の軌道を計算してみました。常に30AU~40AU(AU=天文単位:太陽と地球の平均距離の30倍~40倍)もの遠くを移動する天体がうまく計算できるかどうかのチェックです。計算はすぐにできました。ただ驚ろいたのは、正確に計算するために、観測精度の悪そうなデータは計算から除外する(リジェクトすると言います)のですが、計算値と観測値のずれが0.3"(角度の秒)を超えるものを全てリジェクトしなければならなかったことです。彗星の場合はぼーっと拡散していることが多く、多少精度が落ちるため、残差が2"未満であればまずまずの精度と考え計算に取り込みます。小惑星の場合でも1"程度までは大丈夫としています。それを考えるとわずか0.4"ですら捨てなければならないことはショックでした。
 私は彗星や小惑星を観測し、位置を国際中央局の小惑星センターに送っているのですが、彗星だったら1.5"以内、小惑星だったら0.8"以内の精度で大丈夫だろうという感覚で観測していました。これは基準を変えなければなりません。望遠鏡の光軸もズレたまま観測していたので、今度暖かくなったら丁寧に光軸調整をやろうと思います。そして、ピント合わせも最高の状態に合わせられるよう工夫をしたいと思います。それに測定用の恒星データや測定手法の改善も必要です。



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