25年後に小惑星が衝突?

 25年後に小惑星が衝突?確率300分の1、NASA<Asahi.comサイエンス>などたくさんのウェッブサイトで小惑星の地球衝突の可能性が報道されています。NASAは当初衝突の危険度を表すトリノスケールを2としていましたが、過去の観測(2004年6月19日と20日)からも発見されて精度が上がり、27日には4まで上昇しました。28日にはさらに過去の観測(2004年3月15日)からも発見され、最新の観測データと過去のデータから計算された結果、危険度を1に下げています。
 この小惑星は現在325日で太陽を1周していますので、1公転の9割は観測されていることになります。一般には十分な精度で軌道が計算されていると言えるのですが、今回は28公転目(27公転先=太陽を27回ぐるぐる回った後)の位置を高精度で計算しなければならないため、まだまだ精度が不足しています。観測期間に対して30倍近い先の精密な位置なんてあてになりませんから(望遠鏡を向けても視野には入らないという程度の意味)。
 私も最初に観測データが発表された時から計算を続けていますが、27日の夜に計算したときはドキッとしました。大急ぎで記事を書いたものの、週刊誌のすっぱ抜きのような文になってしまったことと、私が知っている軌道計算者たちが一様に沈黙を守っているので、ここは下手に発言しないほうが良いのだろうと思い、記事は削除してしまいました。
 その後さらに観測期間が延びたので、かなり精度は悪いとは思いますが、2004年12月29日現在でわかっている状況を説明します。
 私が12月28日(UT)までの観測データから計算したところによると、最接近は2029年4月13.9日に0.00050AU(75,000km)で、月までの1/5の距離まで接近します。この距離は静止衛星のわずか2倍の高度で、過去2番目の接近となります(直径は400mだとか)。この大接近により小惑星の軌道は地球側に引っ張られ、周期がほぼ1年となります。下に最接近の瞬間の軌道要素を示します。プラネタリウムソフトにこの軌道要素を入力すればその様子を見ることができますが、地球の重力影響で急激に(連続的に)軌道が変化していきますので、元期から離れると位置がずれるので注意してください(プラネタリウムソフトは太陽からの重力影響しか計算しませんので)。元期(Epoch)は2029年4月14日ですので、その前後なら雰囲気を知ることができます。
 なお、最接近時の軌道要素は今後の観測によってかなり変わっていきますので、常に最新のものに注目してください。

  


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