今日は画像処理のお話をちょっとだけします。
天体を観測するときは天体望遠鏡にフィルムカメラやCCDカメラを用いてできるだけ明るく写そうと努力するわけですが、それでも真っ暗な画像しか得られないときが多いです。でもあきらめません。一見真っ黒な画像でも、しっかりと必要な情報は記録されているのです。以下に、わかりやすい例で説明しましょう。
下の画像は先ごろ天狗高原に行ったときの観測風景です。月明かりも街灯も無い真っ暗な中で、同行したKさんにデジカメで1分間シャッターを開けっ放しで撮っていただいたんですが、右にわずかに望遠鏡が写っているのがわかるだけです(見た目もこんな感じでした)。
ところが、少し画像処理すると下のような画像を得ることができます。一見真っ暗な画像にもこれだけの情報が記録されているんです。駐車場の向こうは草原になっていて牛が放牧されています(この画像からは牛は確認できません)。その向こうの遠くには小高い山(丘)がいくつか写っています。この画像は強く圧縮されたJPG画像なのでこれ以上処理しても汚くなるのですが、圧縮されていない画像を用いてさらに強烈に画像処理すると、昼間のような雰囲気の画像が得られます。
どうですか、このテクノロジーのすばらしさ。
私たち天文家はこんな技術を用いて観測しているんです。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.