ディープインパクトの7月4日は日本は梅雨の真っ最中ということで、全国的に雨模様でした。彗星観測者の多い日本のメーリングリストは、しーーんと静まり返っています。海外で観測した人たちや海外の観測者からの情報がどんどん飛び込んでくるかと期待したのですが、こちらもまったく興奮してない冷静なメールがぽつりぽつり入ってきています。
衝突して30分後には0.5等ほど明るくなって、淡くボーーッとしていた彗星が少し恒星状に変化したようです。あれだけのすさまじい衝突にもかかわらず、わずか0.5等しか増光しなかったことは意外でした。海外で分光観測していた人によると、明るくはなったが、衝突の衝撃で粉砕した物質が光をさえぎるのが観測されたそうです。殻は打ち砕いたが、意外と厚く中身を噴出させるにいたらなかったと言う感じでしょうか。
ところが、ハッブル宇宙望遠鏡も観測していて、Hubble Monitors Evolution of Dust Plume Following Deep Impact’s Collision with Cometに掲載されている画像を見るとかなり明るくなっています。このページには動画も掲載されているのですが、これを見ると彗星が壊れたんじゃないかと思うくらいの衝撃が走っています。これだけの現象が起きているのに、地球ではわずか0.5等程度の増光にしか見えないんですね。
じゃあ、突然2等級も増光する時がある 29P/Schwassmann-Wachmann彗星 なんかいったいどんな現象が起きているのでしょうか!今回の実験はそれを想像するのにも役に立ちそうです。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.