大接近中のシュワスマン・ワハマン第3彗星のC核

 シュワスマン・ワハマン第3彗星が5年ぶりに帰ってきて、太陽へ最接近しようとしています。今回の回帰は地球との距離が0.08AU(太陽と地球の距離の8%の距離=1200万キロメートル)ほどで76年ぶりの大接近となります。この彗星についてのやさしい解説は国立天文台のシュヴァスマン・ヴァハマン第3彗星をご覧ください。

 この彗星は核(彗星本体のこと)が分裂し、その分裂した核がさらに分裂したり爆発したかのようにばらばらになったりして、名前をつける国際機関も大変な状況になっています。観測報告をしている我々アマチュア観測者も「この核はなんだろう?」とか「どっちの名前で報告すればいいの?」とか、毎日きっちりと情報を整理しておかないと状況が把握できなくなりました。

 さて、5月2日夕方から3日明け方にかけて、黄砂のまったくない真冬のようなギラギラしたすばらしい星空だったはずです。ところが、私は寝過ごしてしまい、明け方のほんの1時間ほどしか観望できませんでした。それでも、ものすごい夏の天の川やさそり座の美しい全景を見ることができました。がんばって起きたご褒美としては十分です。
 下の画像は一番明るいC核の移動の様子です。左上(北東)に向けて移動しています。この間わずか3分です。地球に非常に接近しているのでこんなに早く移動するんです。望遠鏡で眺めると移動している様子が見られるでしょう。明るさは7.1等と測定しました。画像ではこんなに立派に写っているのですが、肉眼では見ることができません。肉眼で見られる最も暗い星が6等と言われているので、もう少し明るくなって欲しいところです。
 現在他の核の精密な位置と明るさを測定している最中です。
 他の画像は後日掲載します。


シュワスマン・ワハマン第3彗星のC核
2006年5月3日 3時56分23秒から3時59分44秒
4枚をアニメーション
1~3枚目は10秒露出、4枚目は30秒露出
20cm f/6.3シュミットカセグレン望遠鏡に冷却CCDカメラBT-10で撮像


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