バーナード第2彗星が117年ぶりに発見されました

 今朝の6時56分に佐藤裕久氏から

 NEO Confirmation PageにAZ34128という天体の追跡位置推算表が掲載されています。
AZ34128 [2006 June 23.2 UT. R.A. = 17 41.4, Decl. = -26 01, V = 17.2] Updated June 24.66 UT
 光度は17.2等と暗いですが、この位置推算表から軌道要素を計算すると楕円軌道よりはどちらかというと放物線軌道ではないかと思われます。
 LINEARの発見ですが果たして彗星かどうか。

 というメールが軌道要素とともに飛び込んできました。
 追跡観測したかったのですが、朝の時点で雨が降っているし、夜も期待できそうにありません。
 おそらく彗星だろうなとは思っていたのですが、その2時間後に発行されたMPEC 2006-M38に驚くべきことが書かれていました。
 6月23日にLINEARが発見したこの移動天体は、1889年6月24日にリック天文台(カリフォルニア)のバーナードが発見した、バーナード第2彗星だったのです。
 ずっと以前にマースデンとセカニナが計算した軌道では周期が145年±15年と計算されていましたし、バーベリッヒも128年ほどと計算していたとのことなので、だれも捜索はしていなかったはずです。しかし、偶然発見された天体の軌道要素が酷似していたので、117年離れた観測データを結ぶための軌道計算が試みられたのでしょう。その結果、117年かけて太陽を1周する彗星であることが確認されたのです。

 この彗星は現在16等級でさそり座の尾の北側にあり、今後北上します。7月下旬から8月上旬に最大光度(13等級?)を迎えます。そのころはヘルクレス座のM13(球状星団)のすぐ脇にあり、位置的条件も良いのでCCDで楽に捉えられます。大きなドブソニアン望遠鏡だったら眼視観測も可能でしょう。残念ながら、肉眼や小望遠鏡で見られるほどには明るくならないでしょう(ただし、突発増光の可能性はあります)。

 新天体発見情報 | JPLによる軌道図 | MPEC 2006-M38



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