今夜も芸西天文台の70cm望遠鏡のテストを行いました。関勉先生はフィルムカメラをベントカセグレン焦点に取り付けて比較的明るい彗星の写真を10枚くらい撮り、私はコンピュータ操作や時計の秒読みなどしてアシスタントを務めました。露出中は特にやることもないので彗星談議や今後の観測の話など、夢を語り合いました。
その後は、冷却CCDカメラによるテストにかなり時間を使いました。
本当ならSBIG STL-11000Mが納品されていて、そのカメラでテスト撮影する予定だったのですが、米国のメーカーからの出荷が遅れているとかで本来のテストができません。しかたなく自分の冷却CCDカメラなど一式を持ち込んでテストしました。
冷却CCDカメラを取り付けた70cm望遠鏡
ピント合わせが難しいです。私のCCDは旧式なので、CCDからパソコンに画像が転送されるのに20秒くらいかかるんです。撮像時間を含めると1枚の画像がパソコンの画面に表示されるのに50秒くらいかかります。つまり、50秒間隔のコマ送り画面でピント調整しなければならないのです。私の望遠鏡はつまみを回してピント位置が調整できるので楽なんですが、70cm望遠鏡はハンドコントローラ(またはコンピュータ)のボタンを押して調整しなければなりません。まだ慣れてないのでどの程度押せばどの程度ピント位置が動くのかわからないのです。なかなか動かないので、少し長めに押すと今度は行き過ぎます。ボタンを押し続けると徐々に加速するように設計されているようですし、加速してしまうと今度は急停止はできません。こんな巨大な望遠鏡を操ろうとすると観測者側にもそれなりの訓練が要求されるようです。まあ、そのうち習得できるでしょう。
個人CCDでの最初の撮像はM61でした。理由は関先生がC/2007 B2 (Skiff)彗星を撮られていたのですが、たまたまそのすぐ横(わずか17’)にM61があったというだけです。ピントがうまく合わないのでボケボケの画像しか得られませんでした。その後すぐ横にあるC/2007
B2 (Skiff)彗星を撮像してみました。やはりボケボケの画像で恒星像が正規分布になっていませんでした。肉眼では大気はそんなに乱れてないように見えたんですが、実際にはかなり乱れていたのかもしれません。
撮像した画像で焦点距離を計算してみたのですが、なんと5000mmもありました!ということはF7です。主鏡はF10で設計されているので、F10からF6.5くらいにするレデューサが入っているのですね。このレデューサに私の個人持ちのレデューサを連結させればもっと広視野になり、画質が向上するのかな?どうせ面積の小さなCCDチップなので周辺が歪んでもなんら問題はありませんし…..。近日中に実験してみたいです。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.