今日は芸西天文学習館(芸西天文台)で『アストロ教室第5回目 彗星や小惑星はどうやって見つけるの』を開催しました。このアストロ教室というのは、芸西天文学習館で講師を勤める現役の教諭たちが企画立案して行っている小学生を対象にした体験型学習会です。今年は7月から翌3月までに7回(1回あたり3時間~7時間)の学習会を行い、子供たちの自然科学に対する好奇心を刺激する予定です。
第5回目のテーマは『彗星や小惑星はどうやってみつけるの』ということで、私達3人(関勉氏、村岡健治氏、私)の観測者チームの出番となりました。
3人で話し合った内容は、
(1)まず子供たちに夢のある話をしたいね。
(2)子供たちには絶対理解できないくらい難しい話しでもいいので、潜在的に記憶に残る話をして、大人になったときに何かのきっかけで思い出してもらえるような話しもしたいね。
(3)実際に体験してもらって発見する喜びを知ってほしいね。
ということでした。
話し合ったというより、私が勝手に関さんと村岡さんに一方的にメールで構想を伝えただけです。しかもたった1通だけ….。
もうほとんどぶっつけ本番です。当日の打ち合わせは一切無し(笑)。
しかし、以心伝心といいましょうか、天文家の心は一つといいましょうか、構想どおりの内容となりました(本当は私の勝手な構想にお二人がうまく合わせてくれただけです)。
最初の(1)の部分は関勉講師が盛り上げました。さすがに日本中で講演され、文学賞も受賞されている人ですねえ。間のとり方と言い、笑いを誘う手法と言い学ぶべきところだらけです。(2)は村岡健治講師がシューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突のショッキングな内容を、画像や動画を流しながら話しました。「おお!」とか「うわ~~」という声がたくさん聞かれました。後半の、観測追跡されていた小惑星が大気圏に突入した初めてのケースのお話しは、小惑星や彗星の観測者にとっては非常に臨場感があったのですが、専門用語の羅列で大学生でも理解できなかったと思います(汗)。まあ、大人はすごいことやってるんだなあと思ってくれたらそれで良いと思います。(3)は私が観測画像を配布し、写真の中から移動天体を見つける作業を体験してもらいました。また、コンピュータ画像をブリンクさせてピコピコ移動している天体を探してもらったりして、以前の写真時代の見つけ方と、今日のCCD時代の見つけ方の両方を体験してもらいました。
やる前は、子供たち興味を持ってくれるかなあとか、画像をブリンクさせて移動天体を表示させてもしらけてしまわないかなあとかいろいろ心配していたんですが、実際にはわいわいがやがやと大いに盛り上がり、心配は無用でした。
アストロ教室の主担当の講師からは「いままでで一番盛り上がっていましたよ」と伝えられ、ああ、こういう伝え方で良かったのだと非常にうれしかったです。
そういえば、関さんから「芸西で講師をやってみませんか」と言われて、『人前でしゃべるのは苦手なんだけどなあ』と思っていたら、「人前でしゃべるのは得意な先生たちがたくさんいるので、望遠鏡の操作と、天体を見せながらの解説だけやってくれたらいいですから」と言われて、これまではドームの中だけでしゃべっていたのですが、この所と言うか、いつの間にか前に出てしゃべりまくってますねえ(笑)。やはり、『伝えたいこと』があると、人前に出る勇気が湧いてきますね。
人前でしゃべるのは苦手なんですが、少しずつ訓練していこうと思います。
芸西天文台の夕暮れ
2008年11月22日撮影
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.