古い本の話

 7月24日にYahooオークションで、『岩波書店 昭和14年~ 天体物理学(関口鯉吉)・天体力学(松隈健彦)・宇宙構造論(鏑木政岐)』を入手しました。昭和14年と記載されているのに、オークションの画像(下の2枚の画像)を見ると非常に綺麗だったので復刻版かなにかだろうと思っていたのですが、どうも当時のもののようです。

 昭和20年前後、つまり終戦直前から終戦後に書かれた天文関係の本をたくさん持っているのですが、どれもわら半紙がさらにタバコの煙で燻されたように茶色で、触るとざらざらした感じで、そろりそろりと触らないと破けてしまいそうです。でも今回入手した本は表紙も白っぽくて丈夫な紙で作られていて、中の紙も十分な厚さがあり、色あせていません。


天体力学

 この本は昭和14年から15年にかけて出版されたようですが、昭和14年と言えば第二次大戦が始まった年なので、まだ紙の質が良好だったのでしょう。
 本には書き込みやしわなどがほとんどありません。この本を最初に買った人はどんな人だったのでしょう。戦争に巻き込まれ、熟読する時間はなかったのかもしれません。いつか読もうと思いながら、兵士として出撃し、そのまま帰ってこられなかったのかもしれません。出版から70年も経って私の手元に来た本がたどった運命を想像しながら、一ページ、一ページめくっています。

 
 



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