このところ芸西天文学習館(芸西天文台)で撮像した画像をカラー合成しています。芸西天文台にある観測用の冷却CCDカメラは白黒です。これは観測目的に応じて適切なフィルターを装着して撮像しなければならないので、色フィルターの付いていない白黒のカメラを用いるのです。
この白黒カメラを使ってカラーの天体写真を作ってみました。光の3原色である、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を別々に撮るのです。まず、冷却CCDカメラに赤色だけ通すRフィルターを装着して白黒で撮像します。次に緑色だけ通すGフィルターを装着して白黒で…..。というふうに色別に3枚の白黒画像を撮像します。これをコンピュータを使って合成すると、あら不思議。カラーの画像が得られるのです。これが3色分解撮像とか、RGBカラー合成とかそれを応用したLRGBカラー合成という技術です。
言えば簡単ですが、なかなか綺麗に作成するのは経験や工夫が必要です。
下に芸西天文台の70cm反射望遠鏡で3色分解撮像したNGC 2392 エスキモー星雲の画像を掲載します。
普通に合成しても巨大な真っ白い光の玉になってしまうので、いろいろ画像処理してイメージに近づけるわけです。画像処理のやりかたによっては青っぽい天体になりますし、また緑っぽい天体になったり、また紫っぽくなることもあります。画像処理しているうちに、「色ってなんだろう?」なんて、改めて深く考えてしまいます。
ここに掲載したエスキモー星雲は、けっしてむちゃくちゃな色ではありませんが、私のイメージがある程度反映されています。ですから、他の天文家が撮像した(カラー合成した)エスキモー星雲の色とは若干違いがあるのはそのような理由によるものです。大望遠鏡は大気や筒内気流の影響を大きくうけて、なかなか分解能の高い画像が得られないのですが、この日は比較的良好な画像が得られました。
NGC 2392 エスキモー星雲
芸西天文台 70cm反射望遠鏡で撮像
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.