9月11日(土曜日)から12日朝にかけて、川之江の久保さん達と塩塚高原キャンプ場に星を見に行きました。大勢での計画がされていましたが、皆さんいろいろ忙しかったようで、結局いつもの3人(久保さん、Iちゃん(女性)、私)の参加になりました。塩塚高原は昨年の9月20日以来なのでほぼ1年ぶりになります。何年振りかで会えることを楽しみにしていたO氏が緊急の用件で参加できなくなったのは残念でした。
私が到着したのは日没後間もない時刻で、わずかに薄暗くなっていました。久保さん達はすでにテントを張り、肉なんかを焼きながら食事中でした。
私も加わってちょこっとお肉など頂きながらアルコール度の低いカクテルなんか飲んでいたら、西の空の低空に月と金星が美しく輝きだしました。いや~~、美しいですねえ。明るい金星や木星に月が寄り添うことはそれほど珍しいことではないので、太古の時代から多くの人がいろいろな思いをもって眺めたことでしょう。
月と金星
ポータブルデジカメで撮影
早い時間帯はごく薄い雲に覆われたりしたのですが、星空を眺めながらいろいろお話をしました。また、夏の天の川の中にある明るい星雲などを久保さんの28cmシュミットカセグレン望遠鏡で観望を楽しみました。28cm望遠鏡で100倍の低倍率にすると星雲が驚くほど明るく見られました。透明度も良好で、大気が非常に安定しているのです。
夜遅くなるとほぼ快晴になってきました。
星の瞬きが全くなく、大気が非常に安定しているので、木星が南中したころに28cm望遠鏡を向けてみました。
素晴らしい木星の姿が見られました。縞模様が見られるなんてことは、もう問題ではなく、その中の渦まで見られました。しかも運の良いことに大赤斑が手前に来ているではないですか。さっそく、ポータブルデジカメでコリメート撮影してみました。しかし、デジカメではそんなに綺麗には写せませんねえ。
下の画像は眼視観望ではこんな感じだったというイメージに画像処理しました。実際にはこんなにざらざらした感じではありません(直接目で光を捕えているのですからあたりまえですが)。まあ、雰囲気が少しでも伝われば嬉しいです。
木星
28cmシュミットカセグレン(100倍)に
ポータブルデジカメでコリメート撮影
木星の縞模様は通常2本ありますが、現在はなぜか上(北側)に1本しかなく、大赤斑の付近にある縞模様は無くなっています。すぐに復活するのかと思っていましたが、いまだに1本しかありませんでした。
天気に恵まれて、満天星です。
私は芝生に寝転がって星空を浴びたり、寝転がったまま双眼鏡で天の川や周辺を眺めました。もう、星座や星の名前はどうでもよい感じです。地球という宇宙船に乗って宇宙を旅している感じです。時々ウトウトとして気持ちいいなあと思っていたら、いきなり流れ星が走ったりして、なかなかの演出です。
こんな風に、薄明直前まで星空を楽しみました。
車の中でぐっすり眠って、ふと気付くと太陽が出ていました。2時間足らずですが眠られたようです。ひどい寝不足でふらふらと外に出ると、すでに2人はジンギスカン焼き肉プレートみたいなのでハムステーキを焼いたりソーセージを焼いたりしてばくばく食べていました。ほとんど寝てないと言いながらもむちゃくちゃ元気でした(笑)。
私はなにかを探そうとして、車の荷台の荷物をかき分けていたら、A4サイズの太陽観測フィルターがあるのに気付きました。そうだ、望遠鏡で太陽を眺めてみようと思い、まず試しに双眼鏡の前にフィルターを持って太陽を眺めてみました。山の木の間から昇ってくる太陽が大きく見られ、真黒い木が太陽にかぶさりなかなかの眺めです。Iちゃんに手渡すと、初めて見たのか、「はて?なんだろうこの銀色のビニールは?」という顔で眺めています。そうなんです。太陽観測フィルターというより、ラッピング用のビニールみたいなものですから。使い方を説明すると「おお!すごい~」っと喜んでいました。
双眼鏡を通してもとくに眩しくは無かったので、今度は望遠鏡に被せてみました。ファインダーを使うわけにはいかないのでちょっと導入が大変でしたが、どうにか向けられました。
太陽観測フィルターを装着
望遠鏡の口径が小さいので特に眩しくは無く安全な感じだったのでじ~っと眺めてみると、ありました~。太陽黒点が1個だけ。このところ黒点が少ない状態が続いているのですが、今日も1個しかありませんでした。陥没しているように見える黒点の周りに白い部分が何箇所かあって面白いです。
下の写真の一番上の部分にある黒い小さな点が黒点です(CCDに付着したゴミではありません)。北がどちらになっているのかはわかりません。
黒点のある太陽
2010年9月12日午前7時40分ころ
(北がどちらかは不明)
太陽黒点は眼視ではかなり詳細に見られたので、どうにかしてデジカメで撮りたかったのですが、ピントがうまく合わないのか大気の揺らぎがはやいのか、あまり良い画像は得られませんでした。コリメート撮影では難しいです。
塩塚高原キャンプ場
太陽が昇って急激に暑くなってきたので急いで片づけましたが、1時間以上かかりました。山の上の早朝だというのに汗が出ました。今年は異常に暑いですねえ。昨年の9月20日に塩塚に来た時に撮った写真を見てみたのですが、下山する途中で満開の彼岸花のある風景を撮影していました。今年は同じ場所にはまだ咲いていませんでした。
今回は天気も良好で風もなく、なかなか良い星空で、流星まで流れるという最高の星見会になりました。
次回はしし座流星群のころか?寒いぞ~。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.