芸西天文学習館では、毎年8月(生徒の夏休み期間)に小さな屈折望遠鏡のキットを用いた「手作り望遠鏡教室」を開催していて、8月6日(土曜日)はその第1回目が開催されました。毎年好評なので、今年は3回行うことになりました。
気象画像を見ると台風9号の影響で南から雲が吹きあがっているように見えたので天気を心配しながら芸西に向かいました。
芸西方面に向かうに従って雲は少なくなってきた
芸西天文学習館(芸西天文台)に到着すると、もうすでに全員集まっていました。南面には松木講師が、昨年作った手作り望遠鏡に変なものをくっつけて置いてありました。はて?なんだろう…。
えらく重装備にされてる
太陽投影板ですね。これで太陽の黒点を見ようと挑戦しているのでした。
っということは、もしかして大きな太陽黒点が発生しているのかもしれないと思って、ドームに急ぎました。
芸西天文台の望遠鏡が入っているドーム
すばらしい天気になってきた
大急ぎでコンピュータを起動して、太陽投影板を取り付け、ピントを合わせてみると……。
あった~~っ、結構大きめの太陽黒点が!
昼間の観望会は年間4回しか開催しないし、大きめの太陽黒点が常にあるわけではないので、見るチャンスは少ないはず。
望遠鏡作りの前に太陽黒点を見てもらおうと急いで講義室に帰りました。
15cm屈折望遠鏡に太陽投影板を取り付けたところ
講義室に帰ると、すでに理事長のご挨拶が終わって、講師紹介の直前でした。なんか、予定より早いと思ったら、今日は団体の予約だったようで、全員集合が早く、少し早めに開催していたのでした(汗)。
最初に、主担当の松木講師から今日の進行が説明されました。
今回も40席満員御礼です
次に岡村講師からこれから作る屈折望遠鏡の構造や、望遠鏡のお話がありました。岡村講師は関勉講師と同じく、この学習館が発足した当初から講師を務めていて、最年配の講師です。ご自分で「もう引退じゃ~」と言われながら、はや何年….(笑)。「引退はまだ早いです」と全員に引きとめられながら、年に1~2回の特別な一般公開には参加されています。本当にお元気です。
望遠鏡のお話をされている岡村講師
「望遠鏡の話を長々聞くより、早く作りたいでしょうから…」との岡村講師の合図で、さっそく望遠鏡作りに入りました。
これが屈折望遠鏡のキットです
作り出してまもなく、大きな太陽黒点が見えるから5人ずつにわかれて見てみましょうということになって、私はドームの方へ移動することになりました。ということで、望遠鏡の作成過程の写真は撮れませんでした。
ドーム内では大きな脚立に一人ずつ登ってもらい、太陽投影板に写った太陽の様子を見てもらいました。
木星のように表面を通過する模様は雲です(地球の雲)。
投影板に写った太陽(黒い部分が黒点)
全体を覆っている淡い模様は地球の雲
黒点のアップ
全員が太陽黒点を見終わる頃には、ちょうど望遠鏡が完成していて、夕食休憩になりました。
薄暗くなると外に出て、待望の月面をみました。と言っても望遠鏡の倍率は30倍程度とかなり高めです。最初から簡単に月に向けられるはずはなく、みんな、1時間くらい大格闘していました。ピント合わせが難しいみたいですね。ピントが合った状態を知らないので、超ピンボケでも、「見えた」って喜んでいます(笑)。完ぺきにピントを合わせてあげると、大声をあげて喜んでいました。まさかこんなにクレータがはっきりと見えるものとは思わなかったのでしょう。
月に向けける練習をしているところ
ピント合わせは、最初はちょっと難しいみたい
自分の望遠鏡でいろいろ眺めた後は、いつもの一般公開と同じように、ドームに移動して70cm反射望遠鏡での観望会を行ったり、星座案内をしました。夜になるほど雲が無くなり、濃い夏の天の川も見られました。望遠鏡では土星を310倍まで拡大して見ましたが、大気が珍しいほど安定していて、たいへん美しい姿が見られました。やはり土星は人気があります。みんな感激していました。この土星もあと1ヶ月ほどで太陽方向に移動してしまうので見られなくなってしまいます。
ドームの中での観望の様子
天気に恵まれて、最高の一般公開ができました。
いや~、楽しかった!!
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.
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