塩塚高原天体観測会に行ってきました(3)
小学生や父兄の皆さんに木星観望をしていただいた後は我々の観測が本格的に始まる予定だったのですが、北極星が見えないので望遠鏡の調整ができず撮影になりません。でも、雲の切れ目はかなり多いので、Sさん持参の巨大な55cmドブソニアン望遠鏡を覗かせていただくことにしました。
ドブソニアン望遠鏡というのは下の画像の望遠鏡で、地面すれすれに取り付けられている大きな鏡で光を集めて筒の先についている接眼レンズで好きな大きさに拡大して観望します。追尾モータは付いてないので自分で鏡筒をふって導入します。
持ち主のSさんと主催者のKさんが望遠鏡の前に並んでいたので記念撮影しようとしたら、Sさんはダッシュで逃げてしまいまして、Kさんだけが、まるで自分の持ち物のように写っています(笑)。
さて、その望遠鏡の見え具合ですが、これには驚きました!
球状星団なんか、写真で見たような感じで、つぶつぶが鮮明に分離して、恒星の数を数えることができるほどの見え具合です。しかも画像よりずっと美しいです。私はこれまで眼視の方が写真より綺麗だと思ったものは月だけだったのですが、望遠鏡がこれだけ良いと球状星団もすばらしいですね。そのほか惑星状星雲や土星状星雲などCCDでもなかなか写すのが難しい小さな天体も見せていただきました。300倍以上とかっていうかなりの倍率にしても実に鮮明で、写真に撮らないと無理と思っていた天体が、眼視で見られたことには驚きました。そして、網状星雲や、あの極淡いカリフォルニア星雲まで存在を確認できました。
私は20cmの望遠鏡を手に入れたばかりのころ、いくつかのメシエ天体を導入して観望していましたが、どれも写真のイメージとは程遠く、正直言ってがっかりしました。それが天体写真に取り組むきっかけでした。でも、これだけの高性能な望遠鏡を使うと眼視観望も楽しいですねえ。ドブソニアン愛好者たちの気持ちがよくわかりました。
ちなみにこの大きな望遠鏡はバラバラの状態で、その向こうに写っているスポーツタイプの乗用車に乗ってきたんです。20分もかからないくらいの時間で組み立てられました。
(続く)
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.
2 comments for “55cmドブソニアン望遠鏡のすごい世界を堪能”