「ねえねえ、宇宙の大きさってどのくらい?」
「宇宙の端っこっには何があるの?」
「じゃあ、その外側にはなにがあるの?」
「ねえねえ、宇宙の形ってどんなの?」
多くの人から聞かれます。
答えに困りますね~(笑)。
「宇宙は137億光年くらいらしいんだけど端っこはないんだよ」
「仮に、皆さんが137億光年の所に移動したとしても、そこを中心にさらに137億光年の宇宙が広がっているから」
とかって言うと、みんなきょとんとします。
そこでダメ押しで
「要するに、私を中心に宇宙が137億光年広がっていて、皆さんを中心にまた137億光年の宇宙が広がっているんだ」
なんて表現をするわけですが、こんな話をしていると「おい、変な宗教でもやってるのか?」って返ってきそうなので、すかさず自分でツッコミを入れています(笑)。
まあ、宇宙の形というものはそんな形なのだろうと想像しています。小学校以来勉強してきた3次元ユークリッド空間ではまったく表現できない形になってしまいます。
っで、私も人に聞かれるし自分も興味あるので、「怪しい宗教に入ったのか?」って言われないような科学的な説明をしたいと思って書店を徘徊していたら、何冊かの本を見つけたので2冊だけ購入しました。
今読んでいる本は下の画像にある『ポアンカレ予想を解いた数学者』です。宇宙の形と何にも関係ないじゃないかといわれそうですが、原書のタイトルは「The
Poincare Conjecture – In Search of the Shape of the Universe -」です。訳すと「ポアンカレ予想 - 宇宙の形状の探索 -」とでもなるのでしょうか?これ1冊読めば宇宙の形が完璧に理解できるかのようなタイトルですが、「宇宙の形状の探索」のサブタイトルは魚釣りでいう"撒き餌"でして、宇宙の形状を科学することが目的の本ではありません。日本語のタイトルの方が適切で誠実な訳です。
ポアンカレ予想というのは、
『単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相であろう』
という、1904年に数学者アンリ・ポアンカレが予想した位相幾何学の命題です。
この難問が2003年(だったか?)にグリゴリー・ペレルマンによって肯定的に解決されました。そこに至るまでの数学の発展の歴史と多くの数学者の話が書かれています。
この本は数学書ではありません(図と写真はあるが式が無い)。高校生くらいだったら楽しみながら読めると思います。学校では教わることなく、その存在すら知ることが無かったかもしれない位相幾何学が宇宙と強い関係があることを知るだけでも価値のあることではないでしょうか。
昨日はこの2冊を買いました。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.