芸西天文台チームはやっとジャコビニ彗星のB核を捉えました。
9月23日の朝、ジャコビニ彗星が3つに分裂していることがIAUC 8978(国際天文学連合回報)によって報じられました。我々、芸西天文台のチームも観測すべく何度か望遠鏡を向けたのですが、雲にさえぎられたりして、分裂した方の暗いB核とC核を捉えることができませんでした。10月1日になってやっとB核の姿を捉えました。これも淡い雲に覆われていてけっして満足のいく画像ではありませんが、70cm反射望遠鏡の力が発揮された画像です。
下の画像は10分露出を3枚撮像し、彗星の動きに合わせて合成することによって、1枚画像より鮮明に見えるようにしたものです。
B核の精密位置測定は1枚ずつ測定しなければならないのですが、極めて淡く拡散しているので重心が取れません。また動きが速く背景の恒星が細長く伸びて、しかも途中で雲が通過するので点線のようになって測定用ソフトがまともに露出中央位置を検出してくれません。4時間ほど散々苦労して、どうにか3枚からの位置を測定し、小惑星センター(国際天文学連合の機関)に報告しました。
C核はずっと西(右)の方にありますが、A核を中心にした画像にも、C核を中心にした画像にも写っていませんでした。しかし、海外の観測者によると20等級で観測されているので、雲の無い暗い夜なら芸西天文台でも十分捕らえることができます。次のチャンスを狙っています。
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.