小惑星2008 UO100の仮符号取得(4個目)

 10月28日にぎょしゃ座を移動している193P/LINEAR-NEAT彗星を撮影した画像3枚をアニメーションさせながら、他に移動している天体は無いかなと思いつつ、ビール片手に疲れた目でぼ~っと画面を眺めていました。
 30分くらい隅々まで舐めるように眺めていたらありました!正体不明の小惑星状天体が。しかし、非常に暗くて、もしかしたらノイズかもしれません。そこは慎重に周辺のピクセルの状況なども測定しながら検討し、ノイズではないと判断しました。それにしても暗いです。まばたきすると、もうどこにあるのか見失ってしまいそうです。しかも冬の天の川の近くなので微光星がたくさん写っていて普通に測定するとそちらに重心が引っ張られて正確に測定できません。重心計算の範囲を思いっきり狭くしてどうにか3枚の画像から測定しました。光度は20.1等前後で非常に暗く、70cm反射望遠鏡の力が発揮できました。
 さて、問題はこの3つの位置データから軌道が計算できるかどうかです。わずか45分間程度の観測からまともな軌道が計算できるわけはありませんので、こういう場合は、一定の前提条件のもとで計算する、バイサラ軌道という暫定的な軌道を計算します。
 その結果観測データと計算値が非常に良くあった軌道が計算できました。このバイサラ軌道でも10日やそこら先の位置はけっこう予報できるのです。
 問題は2夜目が観測できるかどうかです。原則として10日以内に2夜の観測をして連結軌道が計算できないと小惑星の仮符号がもらえないらしいのです。
 今回は天気に恵まれて、10月30日に2夜目が観測できました。バイサラ軌道での予報位置に望遠鏡を向けて10分露出しました。こういう時は撮影しながらちゃんと写っているかどうかその場でアニメーション表示させながら移動天体を探します。
 ありました!画面のど真ん中に。28日の画像より若干明るい感じに写っています。28日の画像はやはりノイズなんかじゃなかったんです。
 測定と軌道計算は家に帰ってから行いました。2夜の観測データがぴったり連結できました。このことを芸西チームの関さんと村岡さんに観測データとして送信しました。
 11月1日の朝、小惑星センターの軌道計算担当の中野主一さんからメールが届き、「2008 UO100」の仮符号が付いたことが知らされました。
 これで新生・芸西天文台での4個目の仮符号取得です。



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