12月17日(UT)にレビー彗星P/2006 T1 (Levy)が帰ってきたのがMt. Lemmon Surveyにより発見されましたので、芸西天文台で観測しました。光度は18.6等と測定しましたが、画像を見ると19等台の印象を受けるほど暗く感じます。
下はその画像です。10分露出で4枚撮像し、彗星の移動にあわせてコンポジットしました。北東にむかってわずかな尾があるようにも見られます。背景に点線がたくさんありますがこれは恒星です。彗星が10分間で点線の一個分移動しているのです。結構速く移動しています。彗星の位置を精密位置測定してみましたが、背景の恒星の流れが大きいのでいまひとつ精度が悪くまだ小惑星センターには報告していません。もっと短時間で露出しないといけません。
レビー彗星 P/2011 Y1 = P/2006 T1 (Levy)
このレビー彗星はもともとは2006年10月2日(UT)に10等級で、ちょうど近日点にある頃発見されて、2006年12月1日に明け方のカラス座で16等級で観測(上尾市・門田健一氏)されるまで、わずか2ヶ月間しか観測されませんでした。それらの観測から軌道が計算され、5.3年で太陽を回る周期彗星であることがわかりました。
2006年、私が仁淀川河口(土佐市)のノラ観測者だったころ観測していました。その画像は彗星観測日誌[P/2006 T1(Levy)]をご覧ください。
芸西天文台でこの彗星の回帰を検出しようと2010年5月16日、2010年8月17日、2010年9月1日、2011年10月19日の4夜探しましたが見つかりませんでした。今回発見された位置は計算されていた位置から6~7画面分ずれた位置にありました。5.3年の周期に対して2ヶ月間の観測だったので、わずか3%の観測期間しかなかったわけで、33倍も未来の位置を計算しなければならなかったわけです。軌道計算の精度が多少悪かったことはしかたのないことで、周辺を広く捜索しなければならない彗星でした。芸西天文台の焦点距離の長すぎる望遠鏡では捜索はなかなか困難です。もちろん、そこは時間と労力でカバーしているつもりですが….。
下の画像はおまけです。
上の画像は4枚をコンポジットしているのですが、その3枚目の画像です。ちょっと珍しいので掲載しました(左右が反転しています)。
中央にレビー彗星が写っているのですが、その手前をジェット機が通過していったようです。ジェット機の本体に光が反射している所まで写っています。この画角はわずか30分四方と非常に狭いのですが、意外といろんなものが飛び込んでくるのです。でも飛行機の姿が写ったのは初めてのことです。さらに、左上には人工衛星の光跡まで写っています。
レビー彗星の画像にいろんなものが写り込んだ
(左右が反転している)
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静岡大学人工衛星STARSプロジェクトを技術面で応援しています。芸西天文台(高知県立芸西天文学習館)で天体観測。小惑星2個発見。一般公開では星空案内も。彗星軌道計算ソフトOrbitLife公開中。流星自動観測/ラズパイ/電子工作/2アマ/PENTAX/ドローン。MPC Obs Code D70.